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消費税増税時代に成長する企業となるために準備すべきこと-前編-

テーマ:会計

実務編

2014年1月27日

 2013年12月、中小機構基盤整備機構のセミナー(タイトル「消費税増税時代に成長する企業となるために準備すべきこと」)の講師として筆者が話した内容をご紹介します。
 東京で開催されたセミナーでしたので、距離的、時間的に参加できなかった読者もいらっしゃるかもしれません。そこで本コラムでは2回に分け、消費税増税時代をどのように活かすかという視点をまとめたセミナーの内容をご紹介します。


キャッシュフロー経営とは

 企業の究極の目的は利益を継続的にあげることです。利益を継続的にあげるためには、企業は生き続けなければなりません。そのため今直ぐに行わなければならないのは、今月の支払を滞りなく行うことです。支払が滞ってしまうと会社は倒産してしまいます。極端な例ですが、赤字でも上場することは可能です。一方、上場企業で黒字を出していたとしても、支払が滞ってしまうことで倒産をしてしまうこともあります。キャッシュは会社の命なのです。だから、日々のキャッシュフローを管理することがとても大事になってきます。


 経営者にはぜひ行ってほしいことがあります。月末に1分で行えることです。月末に全部の通帳の残高を合計してみて下さい。前月末の残高の合計を出し、当月末の残高から前月末の残高を引いてみて下さい。プラスであれば、それが会社が1カ月で稼いだキャッシュフローになります。一方、マイナスであれば逆にキャッシュが減ったことになります。
 キャッシュフローは増えたり減ったりします。経営者としてはその増えた理由、もしくは減った理由がわかれば問題ありません。ご自身のイメージとキャッシュフローの増減が異なる場合には、ずれている理由を顧問税理士や経理担当者に確認して下さい。簡単にできますので、毎月1回必ずキャッシュフローを確認する習慣をつけましょう。



キャッシュフロー計算書の見方

 自社のキャッシュフロー計算書という書類を見たことはありますか?キャッシュフロー計算書を作成していない場合は顧問税理士や経理担当者に作成してもらって下さい。損益計算書からはわからないことがキャッシュフロー計算書を見ることでわかります。
 キャッシュフロー計算書で最初に確認をするのが、下から3つ目の「現金及び現金同等物の増加額」という欄です。これが、会社が1年間に稼いだキャッシュになります。上述の通帳の合計額で計算したのが1カ月分のキャッシュフローになります。キャッシュフロー計算書は1年分のキャッシュの増加額がわかります。
 次に真ん中あたりにある「営業活動によるキャッシュフロー」という欄です。こちらが、会社が本業で1年間に稼いだキャッシュになります。プラスであれキャッシュが増加しています。マイナスだったらキャッシュは減っています。金融機関はこの営業キャッシュフローを重視しています。なぜなら、貸借対照表の借入残高を営業キャッシュフローで割り、債務償還年数という指標で会社の債務返済能力を考えているからです。利益が出ているがキャッシュが手元にあまりないという会社は、営業キャッシュフローがマイナスになっている場合がほとんどです。


損益分岐点売上を経営に活かす

 キャッシュフローの確認ができましたので、次は採算性について確認します。採算性の管理には損益分岐点売上を使用するといいでしょう。
 中小企業の場合、損益分岐点売上は、販売管理費を粗利益率で割って簡易的に求めて下さい。販売管理費3000万円、粗利益率40%の会社の損益分岐点売上は「3000万÷40%=7500万」となります。この会社は7500万円以上の売上を計上できれば黒字化します。
 会社の損益分岐点売上を知っておけば、例えば目標を達成するための売上がわかります。先程の例で目標利益が2000万円だとすると、「(販売管理費3000万+目標利益2000万)÷40%=1億2500万」となります。1億2500万が、2000万円の利益を達成するために稼がなければならない売上になります。



 損益分岐点売上の少ないほうが、会社が利益体質(利益が出やすい)になっているということです。損益分岐点売上を少なくさせていく場合には、売上単価を上げる(値上げする)、販売管理費を削減する、原価を削減するという方法が考えられます。この中で効果が大きいのが、売上単価を上げることです。逆に損益分岐点売上を悪化させてしまうのは、売上単価を下げる(値下げする)ことです。10%の値上げまたは10%の値下げが会社の損益分岐点売上や利益率に与えるインパクトはそれ以上になります。売上単価の値上げや値下げというのは、考えている以上に会社経営にインパクトを与えてしまうということを理解しましょう。


消費税の基本的な仕組み

 消費税が8%、10%となる時代が近づいてきています。会社の経営に消費税が及ぼす影響が増税後はさらに大きくなりますので、もう一度消費税の基本的な仕組みについて確認していきます。


 消費税は、顧客から受け取った売上に対する消費税から、仕入先に支払った仕入や経費に対する消費税を控除した差額分を納税します。売上から受け取った消費税をそのまま納税するわけではありません。
 数字を用いて再度確認します。売上が210円の場合、消費税は10円です。仕入が105円の場合、消費税は5円です。会社では、受け取った10円の消費税から支払った5円の消費税を控除した差額の5円を納付します。


 同じケースで消費税が8%になったら、売上が216円、消費税は16円です。仕入は108円で消費税が8円ですので、16円から8円を控除した差額の8円を納付します。


 消費税5%から8%に変わったことによる影響は、納税額が5円から8円に変わるということです。このケースでは5%の時も8%の時も税抜きの損益は100円で変わりません。つまり、消費税の増税は転嫁の問題を別にすれば、会社にとっては納税額の管理の問題なのです。8%になったら5円が8円となり、納税額が1.6倍に増えます。10%になったら5円が10円になり、納税額が2倍増えます。


 消費税が増税された場合に経営者が行わなければならないのは、消費税貯金です。売上の3-5%を別口座に毎月貯金するようにしましょう。



消費税の転嫁

 消費税が増税された際に対応が難しいのが消費税の転嫁です。小売業など日々不特定多数の消費者と接する機会の多い業種の場合、消費税分を転嫁したがライバル企業が消費税分の価格を上げなかったなら、顧客がそちらに流れてしまう恐れがあります。
 しかし、単価の値上げや値下げが経営にもたらすインパクトが大きいことを記述しました。今回は8%、10%と2段階の増税です。他社の動向を注視しながらということになると思いますが、長期的に考えれば、価格を変えやすい時期に変えて、消費税を転嫁しておくほうがよいのではないかと思います。


 値札については平成29年3月31日まで、税込みの総額表示とせず、税抜金額を値札とすることが可能です。税抜金額を値札とする場合には、税抜表示であることがわかるように、値札に税抜きと記載したり、POPで当店の価格はすべて税抜表示ですと明示しておく必要があります。


佐藤税理士事務所/佐藤昭一>


消費税増税時代に成長する企業となるために準備すべきこと-後編-

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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