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簡単にできるキャッシュフロー経営

テーマ:会計

実務編

2013年7月19日

 これからの企業経営にはキャッシュフローが大切とどこかで聞いたことがあるかもしれません。利益が出ていてもキャッシュが手元になければ会社は倒産してしまいます。だから損益よりもキャッシュフローを見ることが大切です。キャッシュフローを見るといわれてもよくわからないという経営者のために、具体的なキャッシュフローの見方を紹介したいと思います。


1分でできる月末のキャッシュフロー確認方法

 キャッシュフローとはお金の出入りです。経営者でも簡単にできるキャッシュフローの確認方法がありますので紹介をします。月末になったら実践をしてみてください。実際に自分の会社のキャッシュフローを簡単に知ることができますので、読むだけではなく実践すると効果的です。忙しい経営者でも、会社のキャッシュフローを一瞬にして把握してしまう方法です。


 非常に簡単ですので、やり方を説明します。


(1)まず、会社の全ての預金通帳を用意します。
(2)次に用意した預金通帳全ての月末の残高を電卓で合計します。
   小口現金を使用している場合には、小口現金の月末残高も合わせて合計します。
(3)今度は、先程合計した預金通帳と小口現金の月初(前月末)の残高を合計します。
(4)最後に2の合計から3の合計を引きます


 計算式は(2)-(3)=○○○です。(3)から(2)を引かないようにして下さい。


 計算して出てきた数字が会社の1カ月のキャッシュフローです。




 どうでしょうか?プラスでしたか?マイナスでしたか?それともゼロ?


 プラスになっていれば前月に比べてキャッシュが増えていることになり、マイナスになればキャッシュが減っていることになります。キャッシュフローとはキャッシュの出入りですので、2つの時点間でのキャッシュの増減をみれば、キャッシュフローがプラスになっているか、マイナスになっているかわかるのです。


 簡単な方法なのでまずは計算をしてみてください。月末だけでなく、毎日や毎週のキャッシュの増減を計算しても構いません。


 次は、計算した結果の増減額を見てください。キャッシュフローが増えている場合もありますし、減っている場合もあります。計算した結果を見て増えている、または減っている原因を考えてみて下さい。


 原因はわかりましたでしょうか?


 何か大きな買い物をした時は、キャッシュフローが大きくマイナスになっているかもしれません。大きな商談が成立して納品が済んでいたとしても、キャッシュが入ってくるのは翌月だとキャッシュはあまり増えていないかもしれません。月次試算表の損益では大幅な利益がでていたとしてもキャッシュは翌月まで増えないような場合です。このようにキャッシュが増えた、または減った原因を考えることが大切です。



 原因を把握できましたでしょうか?キャッシュフローは常にプラスである必要はありません。ただし、増えているまたは減っているその原因は把握しておく必要があります。原因が自分でわからなければ、経理担当者や顧問税理士に確認してみてください。キャッシュフローの確認は1分もあれば十分です。


 月次決算はどんなに早い会社でも3営業日から5営業日ぐらいかかると思います。会社の前月の状況を月初めに素早く確認する方法としてキャッシュの増減を確認する方法は有効です。ぜひ今月末から毎月キャッシュフローを確認してみて下さい。


中小企業のキャッシュフロー経営とは

 以上、紹介した方法は過去のキャッシュフローを確認する方法です。過去の実績を把握するのはこの方法でいいとして、中小企業は未来のキャッシュフローを把握する必要があります。


 中小企業が未来のキャッシュフローを把握するためには、資金繰り表を作成するのが一番です。月末の現預金の残高からスタートして、翌月に入金される売上代金、支払う仕入代金、人件費、その他の経費、借入の返済額を表にして、翌月末のキャッシュの予想残高を確認します。



 これをその翌月さらに翌々月まで予測して計算をしておくといいと思います。経費は固定的な支払が多いと思いますのでわかりやすいと思います。売上が月によって変動をする場合には、いくつかの変動パターンで試算してみるといいでしょう。


 資金繰り表ができあがったら、まずはキャッシュがマイナスとなってしまう月がないかどうか確認します。キャッシュがマイナスになるという場合は資金が足りていないので、その時までに資金繰りの問題を解決しなければなりません。具体的な解決方法としては支払を延期する、入金を早めてもらう、経営者個人の資金を会社に貸し付けるというような対策があります。

 キャッシュがマイナスとなる月がなかったとします。次は、月の半ばでキャッシュが足りなくなる月がないかを確認します。具体的には、前月のキャッシュの残高で翌月に支払わなければならない金額をすべて支払えるかどうか確認をします。


 前月のキャッシュの残高で支払うことができない場合には、月単位の資金繰りではなく日単位の資金繰りが必要です。会社の入金日と入金額、支払日と支払金額を日付順に並べて日々のキャッシュ残がマイナスにならないかどうか確認をしてください。


 理想的な状態は、売上等の入金がなくても2-3カ月の支払が可能なぐらいのキャッシュ残高を会社が持っている状態です。強い会社を目指すのであれば、最低でもこれぐらいのキャッシュを常に手元においておくようにしましょう。手元のキャッシュがある程度潤沢にあれば、資金繰りの心配をせずに本業に打ち込めます。


キャッシュフロー計算書の見方

 最後にキャッシュフロー計算書の見方について説明をします。決算書の中にキャッシュフロー計算書が入っているかどうかまずは確認をしてみてください。入っていなければ、経理担当者か税理士に作成をしてもらってください。


 キャッシュフロー計算書は、1年間の会社のキャッシュの増減がどのような要因によってもたらされたのかを把握するための計算書です。


 キャッシュフロー計算書はいろいろな数字が記載されていますが、経営者が見るべきところは4つだけです。


 まずは、下から3行目の現金および現金同等物の増加額です。ここが1年間のキャッシュフローの増減です。プラスになっていればキャッシュが増えている、マイナスになっていればキャッシュが減っています。


 次に営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローの数字をみます。


 営業活動によるキャッシュフローは、会社の1年間の本業で稼いだキャッシュが記載されています。ここがプラスであれば会社は本業でキャッシュを稼いでいることになります。営業活動によるキャッシュフローのマイナスが続いていると会社の存続に大きな影響を及ぼします。


 次の投資活動によるキャッシュフローは、会社の1年間の投資活動によるキャッシュの増減です、投資活動によるキャッシュフローは不動産等を売却しない限りマイナスになると思います。会社がどれぐらい投資活動に資金を使ったのかがわかります。


 最後に財務活動によるキャッシュフローは、会社の1年間の財務活動によるキャッシュの増減です。借入や増資で資金を調達すれば財務活動によるキャッシュフローがプラスになります。借入の返済をすると財務活動によるキャッシュフローがマイナスとなります。


 キャッシュフロー計算書とは、会社の活動を営業活動、投資活動、財務活動の3つに分類してそれぞれの活動でどれぐらいキャッシュを稼いだか(使ったか)を表した計算書になります。


 理想的な形は営業活動でキャッシュを稼いで、稼いだキャッシュを投資活動に使うという流れです。営業活動から投資活動というキャッシュの正の循環ができれば会社はどんどん強くなっていきます。強い会社を目指すのであれば、営業活動でのキャッシュフローの拡大を目指してください。


佐藤税理士事務所 /佐藤昭一>

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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