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未払使用人賞与の取扱い

テーマ:会計

基礎編

2010年6月15日

 企業にとって、金額が大きい従業員に対する賞与をいつの費用として認識するかは、当期利益や法人税の課税所得に大きく影響を与えます。
 そこで、使用人賞与の会計上及び法人税法上の取り扱いをまとめるとともに、未払使用人賞与の取り扱いについて説明します。


1.会計上の取り扱い

 企業会計原則における「費用」については発生主義の原則に基づいて計上されます。
 したがって、従業員賞与についても期末までに支給金額が確定していて未払いであれば、賞与として費用計上するとともに未払金や未払費用という科目の負債として計上することになります。さらには、支給金額が確定していない場合にも賞与の支給対象期間に応じた当期の負担額を見積って、費用が発生したものとして費用計上し賞与引当金に繰入れることになります。
 会計処理としては、「賞与引当金」として支給対象期間中は要支給額を引当処理し、支給時に「賞与引当金」を取崩すことになります。
 なお、支給時に取崩す「賞与引当金」の額は、実際に支給した額ではなく、支給対象期間中に引当処理をした額を取崩し、実際の支給額と「賞与引当金」との差額は、賞与等の費用勘定で調整します。
 具体的な処理は、以下の様になります。


【具体例】(源泉税等の預かり金については考慮していません)

支給対象期間 :夏期 12月~5月 冬期 6月~11月
支給月 :夏期 6月 冬期 12月
支給予定額 :夏期 1,800,000円 冬期 2,400,000円
実際支給額 :夏期 1,500,000円 冬期 3,600,000円
●支給対象期間:12月~5月の各月
(借方) 賞与 300,000 (貸方) 賞与引当金 300,000
●支給時:6月
(借方) 賞与引当金 1,800,000 (貸方) 現預金 1,500,000
賞与 300,000
●支給対象期間:6月~11月の各月
(借方) 賞与 400,000 (貸方) 賞与引当金 400,000
●支給時:12月
(借方) 賞与引当金 2,400,000 (貸方) 現預金 3,600,000
賞与 1,200,000

2.法人税法上の取り扱い

 法人税法では、「賞与引当金」等による引当処理(発生主義による計上)を認めておらず、実際に支給した日の属する事業年度の損金(経費)に算入することになります。
 しかし、事業年度終了の時において未払いとなっている賞与のうち一定の要件を満たしているものについては確定債務として未払計上を認めています。


●賞与の損金(経費)算入の時期について 以下の場合は、それぞれの事業年度の損金の額に算入します。


(1)労働協約又は就業規則により定められる支給予定日が到来している賞与(使用人にその支給額が通知されているもので、かつ、その支給予定日またはその通知をした日の属する事業年度においてその支給額につき損金経理したものに限ります)
 →その支給予定日またはその通知をした日のいずれか遅い日の属する事業年度



(2)以下の要件のすべてを満たす賞与
 →使用人にその支給額の通知をした日の属する事業年度

【要件】


  1. その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人(注1)に対して通知していること。
    (注1)法人が、その使用人に対する賞与の支給について、いわゆるパートタイマーまたは臨時雇い等の身分で雇用している者(雇用関係が継続的なものであって、他の使用人と同様に賞与の支給の対象としている者を除きます)とその他の使用人を区分している場合には、その区分ごとに支給額の通知を行ったかどうかを判定することができます。
  2. aの通知をした金額を通知したすべての使用人(注2)に対しその通知した日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること。
    (注2)法人が支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとしている場合のその支給額の通知は、ここでいう「通知」には該当しません。 cその支給額につきaの通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。


(3)(1)(2)に掲げる賞与以外の賞与
 →その支給をした日の属する事業年度


3.まとめ

  • 会計上の取扱い
    賞与自体が発生主義での処理となるため、未払使用人賞与については確定している場合には「未払金」・「未払費用」で未確定の場合には「賞与引当金」等の負債勘定で表示されます。
  • 法人税法上の取扱い
    賞与引当金は認められず、使用人賞与が未払計上できるのは下記の2つのケースだけです。
  • 労働協約や就業規則で定められた支給予定日が到来している賞与で、各人への支給額の通知および損金経理がされているもの。
    →支給予定日か通知日いずれか遅い日が事業年度終了の日以前であり事業年度終了後 に実際支給する場合。
  • 以下のすべての要件を満たしている場合。
  • 事業年度終了の日までに各人へ支給額の通知 事業年度内での損金経理 事業年度終了日の翌日から1か月以内に各人へ通知額の支給

    【ポイント】

     法人税法上の未払賞与を計上する場合には上記の3つの要件を考慮し、計画的に実施することが必要となります。


    解説者

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