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マクロ数字を使って戦略を考える

テーマ:経営ビジョン・相談

実務編

2014年3月24日

 世の中にはいろいろな統計数字が溢れています。その統計数字を使って考えると、客観的なデータに基づいた思考ができます。例えば人口のデータを使ってどのように経営戦略を立てていったらいいのかを一緒に考えてみたいと思います。


 日本の人口は今後どうなるのか。ご存知のようにすでに日本の人口は毎年減少しています。総務省統計局のデータによると、1920年は5600万人ぐらいだった日本の人口は増えていき、2008年頃には1億2800万人ほどでピークを迎えます。その後、2009年以降は減少傾向となり、2011年は1億2799万人くらいとなっています。日本の人口が減っていくと言われていますが、減少のスピードはひとまず緩やかです。
 人口の将来予測のデータを見ると、2020年頃には1億2410万人、2055年頃には1億人を割って9193万人ほどになると予測されます。40年くらいで3600万人ほど減っていることになります。これがマクロな視点から見た人口の数字です。



 経済は人が行うものなので、人口が減る社会では個人消費の総量が減り、経済が衰退します。そのため日本経済はこれから内需だけでは今の経済力を維持できず、外に稼ぎに行かなければならないと、皆で必死になってアジアに向かっていると思います。


 日本の次に世界の人口も見てみましょう。世界人口白書2010によると、世界で人口の多い国のベスト10中、日本は10位にランクインしています。上位7つの国の人口は、中国13億人、インド12億人、アメリカ3億人、インドネシア2億人、ブラジル1.9億人、パキスタン1.8億人、バングラデシュ1.6億人です。中国とインドが桁違いに多いです。また、インドネシア、パキスタン、バングラディッシュを含めるとアジアが5カ国入っています。世界の総人口は70億人ですから、上位のアジア5カ国だけで4割以上を占めています。


 アジア地域が世界人口の4割を占め、日本よりまだ発展する余地のある国が多いためアジア市場はこれからも有望といえるでしょう。



 日本の人口はこれから減少していくので、日本だけで商売していると必ず需要の限界(売上の頭打ち)にたどり着くと思います。そうは言ってもまだ1億人近く、それなりに所得のある人がいる市場ですので、規模は徐々に縮小していきますが、まだまだ魅力のあるマーケットだと思います。


 別の視点から見ると、日本の人口は減ってはいますが、その中でも構成比が増えていく世代があります。それは高齢者世代です。社会が高齢化していきますのでターゲットを高齢者に絞った商品はまだまだ開拓の余地があると思います。雇用の面でもここ10年ぐらいで雇用者数が最も増えたのは介護職員やホームヘルパーになるそうです。


 もう少し人口について考察していきます。日本の人口は減っています。これはマクロの数字です。日本全体では人口が減っていますが、地域によっては人口が増えています。例えば東京です。東京都は、日本の人口が減少し始めた2009年以降も少しずつ人口を増やしているのです。平成25年の時点では1322万人になっています。地方の人口が減り、東京都の人口が増えているという傾向にあるようです。
 東京都は23区と市部(八王子市や町田市など)、町村郡(西多摩郡、瑞穂町など)、島部(大島町、三宅村など)に分かれています。その区分ごとの人口の増減は町村郡と島部が減っていました。逆に23区と市部は人口が増えていました。
 2004年から2012年までに23区は人口が813万から858万と45万人も増えているのです。約5%増です。市部は、人口が385万人から402万人と17万人増えています。だんだんと人々が都心に向かって集中してきているのです。この傾向は東京周辺の大都市であるさいたま市、横浜市、川崎市でも同じでした。都市に人が集まってきているのです。


人口の分析から戦略を考える

 日本全体では人口が減少していますが、都市部では逆に人口が増えているという傾向が人口統計からわかりました。それでは、人口統計からどのような戦略を立てていけばよいのでしょうか?少し考えてみて下さい。


 小売業や来店型のサービス業を行うとしたら、都市部の家賃の高い場所にあえて店舗を構えることでしょう。うまくいっている飲食店でしたら、全国展開するのではなく、都市部に集中展開していくことを考えます。医療・美容系サービスも都市部の商業地または住宅地に近い場所を狙います。これは1つの考え方を例示したので参考程度にとどめておいて下さい。


 小売業やサービス業は、ターゲットとしている地域の人口の数で市場規模がある程度決まってくると思いますので、人口の動向を確認することは重要です。逆にいうと人口を確認せずに、自宅から近いからというような理由で出店場所を決めてしまうのは危険だと思います。


世帯数は日本全体で増加

 人口統計を見ていくと興味深いデータがもう1つありました。日本全体では人口が減っていますが、世帯数は日本全体で増えているのです。二世帯と子供と夫婦の同居世帯が減り、単身世帯や夫婦のみの世帯が増えているのです。世帯数はここ20年ぐらいで1.3倍程増えています。世帯数全体に対する2人以下の世帯の割合が20年前は45%だったのが、最近では60%となっていました。


 人口減少で住居が余るということがよく言われていますが、現在の状況を見ると世帯数が増えているので、逆に住まいのニーズは増えていることになります。人口が都市部に移動してきている傾向と組み合わせて考えると、都市部の単身世帯または2人世帯をターゲットとすると住まいのニーズはまだまだあるのかもしれません。


 試しに最近の新築マンションのホームページを見てみると、やはり単身世帯や2人世帯をターゲットにしたような1LDKや2LDKの間取りで、コンパクトだけれど都心に近いという物件が増えているようでした。世帯人員が減っている傾向を取り入れてプランが考えられていることを実感します。ファミリータイプの物件もありますが、昔に比べたら需要が大分落ちていることが伺いしれます。


 今回は人口を例にとってマクロ数字を使って戦略を考えてみました。人口以外にもマクロの統計数字はいくつかあります。例えば年収のデータとか、車の保有台数のデータなど自社にとって必要なマクロ数字をみつけて、データを分析してみて下さい。客観的なデータを使って自社の戦略を決めると、戦略の精度が高まると思います。


解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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