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どっちのタイプ?-営業畑出身社長or技術畑出身社長

テーマ:役員・株主

実務編

2014年3月 3日

 筆者が中小企業の社長とお会いしていて感じることは、社長には大きく分けて2つのタイプがいるということです。それは、営業畑出身と技術畑出身の社長です。それぞれのタイプの特徴と事業発展の仕方、事業展開時の注意点について紹介します。


営業畑の社長の特徴

 営業畑出身の社長の多くは、以前勤めていた会社でトップセールスパーソンだった人です。トップセールスパーソンだった人ですから、身のこなしが軽く、物腰が柔らかい人が多いです。このタイプの社長の場合、起業してもうまくいくことが多いのが特徴と思います。なぜうまくいくかといえば営業力があるからです。トップセールスパーソンの口癖として、「とにかく何でも売る自信がある」ということを聞きます。実際に商材があると売上が上がってくるので、端から見ていても安心できます。


営業畑出身の社長の事業展開

 営業畑出身の社長は、売上が上がるのが早いのが特徴です。ところが、創業して直ぐに売上が上がらない場合もあります。それは、商品を売るための仕組み作りができていない場合です。以前勤めていた会社では、すでに商品を売るための仕組み作りが完成していたうえで自分が営業パーソンとして仕事をしていました。
 ところが、創業すると商品を売るための仕組みを自分で作り上げなければなりません。この仕組み作りをいかに早く完成させるかが重要になってきます。具体的には、商材を仕入れるルートを確保したり、高額な商品の場合にはファイナンスの仕組み(リースや割賦)を用意しておく必要があります。これらの仕組みを作ることができれば、あとはひたすら販売するだけですので、以前行っていた仕事と変わらない場合が多いでしょう。



事業展開時の注意点

 1人営業会社であれば、商品を売るための仕組み作りが完成すれば、あとは販売していくだけになります。どこかの組織に帰属しているフルコミッションの営業パーソンも同様です。そうでない場合には、今後営業パーソンを採用して人員拡大を図ることが事業拡大の鍵となります。営業会社の売上は、営業パーソンの人数に比例するからです。人を採用することと人を育成することに社長の時間をかけなければなりません。ここでつまずいてしまう営業会社が多いです。


 よくあるケースとしては、営業パーソンを採用する際に、即戦力として優秀な営業パーソンを採用します。もちろん、優秀な営業パーソンは直ぐに売上を会社にもたらすことから、会社としては重宝します。ところが、優秀な営業パーソンは、社長と似ているタイプの方が多く、途中で社長と営業方針で意見対立してしまう場合が多く発生します。そして嫌になると働き先は他にもあるので直ぐに辞めてしまうのです。せっかく採用して仕事を任せていたとしても、突然ライバル会社に移籍して顧客と売上をすべて持っていってしまう、というようなことが発生するのです。


 小さな会社の場合には、社長の営業方針や経営理念に合った営業パーソンを採用し、少しずつ育成していったほうがうまくいくケースが多いように見受けられます。社長は営業力があるため、つい自分で営業してしまいますが、一歩引いて営業パーソンを育成できれば、事業展開もうまくいくと思います。


 営業会社の事業展開時にはもう1点注意事項があります。営業のためにいろいろな経費を使うためか、お金の管理がルーズになりやすいのです。特に飲食費などの交際費、人件費や外部の取引先に対する謝礼などの支払を気前よくしてしまい、会社の経営が苦しくなるケースがあります。
 これらの経費に関して売上との効果、会社の損益分岐点を考えながら、支出をうまくコントロールしていくことができるとよいでしょう。


営業会社の成功確率は?

 営業会社は売上が立ちやすいので、あとは運転資金をうまく回せれば成功する可能性は高いです。資金調達は、人の採用、事務所の拡大時に必要となると思います。売上が立っていれば、銀行からの資金調達も容易であると思います。3年後も続く確率は90%以上でしょう。
 営業会社でうまくいかなくなるケースは、商品を売るための仕組みができない場合や、社長が社長職を辞めて、1営業パーソンに戻りたくなった場合のみだと思います。


技術畑の社長の特徴

 技術畑出身の社長の多くは、自分の腕に自信のある方です。このタイプの社長が創業するのは、自分で作りたいものがある場合です。技術力がある場合には、元勤務先からの仕事も一部入ってくると思います。技術畑の社長の特徴は、とにかくものを作ることが好きなことです。そのための集中力は凄いものがあります。これから作りたいものの話を聞いている人もワクワクさせるような方が多いです。


技術畑出身の社長の事業展開

 技術畑出身の社長の場合、創業して直ぐに自分の作りたかったものを作り始める場合が多いです。作りたいものを作るために創業をしたのですから当然です。ところが、この点が事業展開していく時にネックとなってきます。少なくともものが完成するまでは売上が上がらないため、その期間の経費と開発費の支払に充当するだけの資金をまずは確保しておく必要があります。
 幸いなことに技術畑出身の社長の多くは、飲食代などで派手に経費を使わず、また、理系出身の方が多く数字に強いので経費をコントロールができる場合が多いです。まずは、最低でも完成までの資金を確保しておく必要があります。


事業展開時の注意点

 技術畑出身の社長の事業展開で最大のポイントは、営業ルートを確保できるかどうかです。技術畑出身の社長の多くは、ものを作った経験があっても営業した経験がない場合が多いです。実際に作ったものがまったく売れないというケースがよくあります。ものづくりに専念しすぎて、営業して売上が上がるまでに資金が底を尽きてしまう可能性が高いのです。
 この点を回避するための営業について、信頼できる営業会社(商社や元勤務先等)を探して営業の代行をしてもらう場合、試作品を早めに出して市場からのフィードバックを受けておくことが必要になると思います。ものづくりに力を注ぎすぎて、営業まで手が回らない場合が多いので、営業ルートの確保は創業時点から考えておくとよいと思います。


 自分が作りたいものを作るだけでなく、元勤務先や元取引先から開発業務を請け負う等して会社の運転資金を確保しておけば、失敗する確率が少なくなると思います。ただ、画期的な新商品や新サービスを開発してその市場性もある場合には、他社の仕事を請け負うことが足かせになることもあり、その見極めは難しいです。



資金調達も創業時は比較的融資を受けやすいですが、完成したものが売れない場合の融資は難しく、3年後も続く可能性は50%ぐらいです。技術畑出身の社長はとにかく営業ルートの確保が成功の鍵となります。

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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