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いまこそ商売の心得 「売り手よし、買い手よし、世間よし」(三方よし)―CSRと会計監査・内部統制

テーマ:企業統制・リスク管理

基礎編

2009年4月23日

「三方よし」の経営ができる中小企業を目指す

2000年頃から様々な企業で不正な経営実態が明らかになり、社会的に大きな問題となっています。近年の重要な企業不祥事には以下のような問題がありました。

重要な企業不正問題

このような企業の不正行為は、事件による損失ばかりではなく、これまでに築き上げてきた信頼(ブランド価値)を一気に失わせ、上場会社であれば株価の暴落・上場廃止・倒産と企業の存亡にかかわる危機を招く恐れがあります。また、経営陣は管理体制の注意義務を怠ったとして、株主から訴訟を起こされ、多額の賠償金を求められるケースもあります。

企業不祥事には、法令に違反する行為によるものと、法令上問題はありませんが、社会的な倫理観に反した行為によって引き起こされるものがあります。当たり前のことですが法令違反を行えば厳しい処罰を受けることになります。

しかし、法律を守っているからといって評価の対象とはなりません。企業は法令遵守をスタートラインとして倫理的な経営活動を行なわなければなりません。こうした背景から企業は社会に与える影響に対して責任をもった行動をとらなければならないという考え方が広まってきました。

CSR(Corporate Social Responsibility)とは、『企業の社会的責任』と訳されます。これは、「企業が社会の一員としてルールを守り、責任を果たしていくこと。」を意味しています。したがってCSRに取り組むということは、企業不祥事に直面する危険性を回避するための取り組みということができます。

CSRと聞くと今までにない新しい考え方か何かと思う方もいらっしゃるかもしれません。または、お金に余裕がある企業が寄付金を出すような社会貢献活動のことだと思っていた人もいるでしょう。しかし、CSRとは日本人が昔から商売の心得としてきた、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」の考え方に非常に近いものです。

ただし、現代において三方をよしとするためには、まず自社組織の在り方を見直す必要があるといえます。これからは中小企業だからといって、ただ利益のみを追求すればよいという時代ではありません。

また、社会貢献活動だといって安易に寄付活動を行っても評価されません。企業理念に照らして組織の在り方そのものを見つめ直し、倫理的な価値判断のできる組織体制を構築することが急務であるといえます。その上で自社の取り組みに関して説明責任を果たすことが、誠実な企業として社会から認められ、持続的な成長を遂げられるのではないでしょうか。

三方よしの企業経営

「対岸の火事」では済まされない

相次ぐ企業不祥事の発生によりCSRに注目が集まる中、2006年5月の会社法改正により、大企業に対して『内部統制整備の義務化』がされました。

さらに2009年3月期からは金融商品取引法(いわゆる日本版SOX法)の制定により上場会社(連結子会社を含む)には『内部統制報告書の作成』『内部統制報告書の外部監査』が導入されることとなりました。従って、これから上場を目指していこうという企業にとって、自社の内部統制の整備は必須条件と言えます。

ここで内部統制とは、会社をよりよく経営するための仕組みのことをいいます。特に日本版SOX法では『財務報告の信頼性』を重要視しており、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を目的として、企業の会計不祥事やコンプライアンス欠如などの防止を目指しています。

そうした意味では、内部統制とはCSR経営を実現するための仕組みの一つと言えるかもしれません。現在は、あくまで上場企業を対象としていますが、本質的には企業規模などは関係ありません。中堅・中小企業においても、今後同様のことが求められてくることが予想されます。

それでもまだうちの会社には関係ないよと考えていらっしゃる方がいるかもしれません。しかし、いつまでも『対岸の火事』というわけにもいきません。企業経営をよりよくするためのシステムという点では、中小企業においても取得が進んでいるISOのマネジメントシステムがあります。

これは、製品やサービスの信頼性を確保し、顧客満足の向上を目指すための仕組みであるISO9001や、組織活動にともなう環境への影響を継続的に改善していくための仕組みであるISO14001がその代表です。

ISOのマネジメントシステムを見つめなおす(中見出し) ISOによるこれらの仕組みは、適正な企業経営をサポートしてくれる優れたシステムといえます。しかし、多くのの大企業がISOの認証取得を行っているなかで、不祥事を起こしてしまった企業においてもISOの仕組みを運用している企業があります。こうした実態は、ISOが本当に有効なものか疑問符を投げかけることになりました。

 

中小企業において取得が進んだ原因として、ISOを取得しないと取引を継続できないという状況が多く見受けられます。いうなれば、ISOは取引を行うための『パスポート』といったところでしょうか。しかし取引継続のためだけにISOの認証を受け、そのシステムを形だけのものにするには費用も安くないだけにとてももったいないことです。

ISOの仕組みを適切に運用することができれば、企業不祥事を起こす危険性をかなり低減できると考えられるからです。さらに効率的な仕組みとするためには、自社の業務の流れを正確に把握することが必要となります。そのための手法の一つとして業務フロー図の作成と、業務のマニュアル化が考えられます。

業務フロー図の作成は内部統制の確立においても重要な工程の一つですし、業務のマニュアル化は業務の標準化につながります。中小企業においても組織体制の在り方そのものを問われる日はそう遠くありません。そのためISOの仕組みをただの飾りにしてしまうことなく、自社の状況に合わせたカスタマイズを行い、刻々と変化する経営環境に対応していかなければなりません。

解説者

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