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雇用維持のための不況対策

テーマ:採用・雇用

基礎編

2010年6月14日

 長引く不況の影響により、雇用調整を行っている事業所も少なくないようですが、雇用の安定化を促進するため、厚生労働省、ハローワーク等が主体となり、企業に対し以下のような助成を行っていますので、この機会にこれらの制度を積極的に活用し将来を担う人材として有期社員を正社員に転換したり、不況で生産を縮小せざるを得ない場合にも安易な人員調整に走らず、助成金を受給しながら操業を縮小する等でこの不況を乗り切ることができるのではないでしょうか。


1.キャリアアップ助成金

 平成25年度から創設されたこの制度は、有期契約労働者等(契約社員、派遣社員、パートタイマー等)を正規雇用に転換等した場合、職業訓練を行った場合、または処遇改善を行った場合等に支給されるものです。


(1)支給対象事業主

  1. 雇用保険適用事業所の事業主であること。
  2. 事業所ごとにキャリアアップ管理者(有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む人)を置いていること。
  3. 事業所ごとに、対象労働者のキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格認定を受けていること。
  4. 支給申請時点において、対象労働者を事業主都合による解雇にしていないこと(天災その他やむを得ない事由又は労働者の責に帰すべき理由による解雇を除く)。

(2)支給額

 各コースの概要と支給額です。()内は大企業の額です。

  1. 正規雇用等転換コース
    正規雇用等に転換または直接雇用する制度を規定し、雇用期間が原則として通算6カ月以上の有期契約労働者等を正規雇用等に転換等した場合。
    • 有期→正規:1人当たり40万円(30万円)
    • 有期→無期:1人当たり20万円(15万円)
    • 無期→正規:1人当たり20万円(15万円)
      1年度1事業所当たり10人まで支給。対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合、1人当たり上から10万円、5万円、5万円が加算されます。
  2. 人材育成コース
    有期契約労働者等に一般職業訓練(Off-JT)または有期実習型訓練(「ジョブ
  3. カード」を活用したOff-JTとOJTを組み合わせた3-6カ月の職業訓練)を行った場合。
    • Off-JT
      賃金助成:1人1時間当たり800円(500円)
      経費助成:1人当たり20万円(15万円)上限
    • OJT
      実施助成:1人1時間当たり700円(700円)
      1年度1事業所当たりの支給限度額は500万円
  4. 処遇改善コース
    すべての有期契約労働者等の基本給の賃金テーブル(実際に賃金算出に使用する基礎単価一覧表)を改定し、3%以上増額させた場合。
    • 1人当たり1万円(0.75万円)
      1年度1事業所当たり100人まで支給。「職務評価」(職務の大きさに応じた評価になっているかの現状把握方法)の手法を活用した場合、1事業所当たり10万円(7.5万円)上乗せされます。
  5. 健康管理コース
    有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合。
    • 1事業所当たり40万円(30万円)
      1事業所当たり1回のみ支給
  6. 短時間正社員コース
    短時間正社員制度を規定し、雇用する労働者を短時間正社員に転換、または短時間正社員を新規で雇い入れた場合。
    • 1人当たり20万円(15万円)
      つぎの「f.短時間労働者の週所定労働時間延長コース」の人数と合計し、1年度事業所当たり10人まで支給。対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合、1人当たり10万円が加算されます。
  7. 短時間労働者の週所定労働時間延長コース
    週所定労働時間25時間未満の有期契約労働者等を週所定労働時間30時間以上に延長した場合。
    • 1人当たり10万円(7.5万円)
      短時間正社員コースの人数と合計し、1年度事業所当たり10人まで支給。

(3)注意事項

  1. 次のいずれかに該当する場合はこの助成金は支給されません。
    • 不正受給をしてから3年以内に申請をした事業主、または申請日後、支給決定日までの間に不正受給をした事業主
    • 支給申請した年度の前年度より前の年度の労働保険料を納入していない事業主
    • 支給申請日の前日から過去1年間に、労働関係法令の違反を行った事業主
    • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業、またはこれらの営業の一部を受託する営業を行う事業主
    • 暴力団と関わりのある事業主
    • 支給申請日、または支給決定日の時点で倒産している事業主
  2. 人材育成コースの有期実習型訓練を修了後、正規雇用に転換した場合、人材育成コースに加えて正規雇用等転換コースの助成も受けることができるようになりました。予め併給の検討をしておきましょう。

2.雇用調整助成金

景気の変動、産業構造の変化その他経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされている事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出向をさせた場合、休業、教育訓練、又は出向に係る手当若しくは賃金等の一部を助成する制度です。

(1)主な支給要件

  1. 雇用保険の適用事業主であること。
  2. 売上高又は生産量の最近3ヶ月間の生産指標が前年同期に比して10%以上減少していること。
  3. 雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数の最近3ヶ月間の月平均値が前年同期と比して、大企業の場合は5%を超えてかつ6人以上、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上増加していないこと。
  4. 休業等を実施する場合は、従業員の全1日の休業または事業所全員一斉に1時間以上短時間休業を行うこと。
  5. 出向を実施する場合は3カ月以上1年以内の出向を行うこと。
  6. 雇用調整助成金又は中小企業緊急雇用安定助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに受給しようとする場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から1年以上経過していること。
  7. 判定基礎期間の休業等の実施延日数が、対象労働者の所定労働延日数の1/20以上(大企業:1/15以上)であること。

(2)受給額

  1. 休業の場合
    休業手当相当額又は出向元で負担した賃金の2/3(大企業1/2)まで支給されます。
    (ただし1人1日あたり雇用保険基本手当日額の最高額まで)
    支給限度日数は1年間で100日(3年間で150日)
    教育訓練を実施した場合には、訓練費として1人1日1,200円を加算します。
  2. その他特記事項
      休業等を行った判定基礎期間内に対象労働者が時間外労働をしていた場合、時間外労働時間相当分が助成額から差し引かれます。 事業所内訓練・事業所外訓練ともに全一日または半日訓練が可能になりましたが、教育訓練日に対象労働者を業務に就かせると助成対象外になります。 雇用調整助成金の対象期間は1年間であり、1年ごとに受給の要件の確認が必要になります。

(3)受給のための手続

受給のためには都道府県労働局又はハローワークへの事前届出が必要となります。 また、これらの助成金は経済情勢その他の状況等により要件が変更される可能性もあります。受給を検討される際は、必ず管轄の都道府県労働局、ハローワークまで事前に問い合わせをし、適用条件等の確認をお願いします。

解説者

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