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こんなときどうする 中小企業の税金と会計


税務

増税前に知っておきたい、消費税の基本的な仕組み(2)

前回に続き、消費税増税前に知っておきたい、消費税の基本的な仕組みを誤解が多い点を含めてわかりやすく説明したいと思います。基本的な仕組みを知らないと、消費税で効果的に節税をすることもできません。

消費税を納税しなければならない人とは?

消費税を納税しなければならない人のことを納税義務者といいます。国内取引の消費税の納税義務者は個人事業主と法人に限定されています。
 一般の消費者は消費税の負担者ではありますが、消費税の納税義務者ではありません。消費税は間接税ですので、税の負担者と納税義務者が異なります。

すべての法人と個人事業主に消費税の納税義務を課してしまうと、事務計算が大変なことから、小規模な事業者については消費税の納税義務が免除されています。

消費税の納税義務が免除される場合

基準期間中の課税売上高が1000万円以下の小規模事業者については、消費税の納税義務を免除することにしています。消費税の納税義務が免除される者のことを免税事業者と呼びます。

基準期間とは、法人についてはその事業年度の前々事業年度、個人事業主については、その年の前々年となります。
 法人は2年前の事業年度、個人事業主は2年前とおさえておいていただければ、ほぼ問題ありません。
 2年前の事業年度の課税売上高が1000万円を超えている場合には、消費税の納税義務者になります。

課税売上高とは、税抜きの課税売上高(消費税が課税される売上)と免税売上高の合計金額から、売上返品や値引きなどを差し引いた金額のことをいいます。基準期間が消費税の納税義務者でない場合には、売上金額には消費税が含まれていない(消費税相当額が含まれていると考える)ため、税込の売上高を課税売上高とします。

ここまではご存知の方も多いと思います。毎年の売上が1000万円以下になっていれば、消費税の納税義務はないため、消費税の納税については心配をする必要はありません。ところが、平成23年の税制改正で、2年前の売上以外に消費税の納税義務が免除されるためにはもう1つの条件を満たす必要が生じてきました。

また、基準期間の売上が1000万円以下でも、新しく設立された法人で資本金が1000万円以上の新設法人については、基準期間のない1期目、2期目でも消費税の納税義務が免除されません。
 資本金1000万円以上で法人を設立する場合には、消費税の納税義務が2年間免除されませんのでご注意下さい。

23年の税制改正で追加された要件

平成25年1月1日以後に開始する事業年度から、基準期間における課税売上高が1000万円以下であっても、特定期間(通常はその事業年度の1年前の事業年度の上半期6カ月間)の課税売上高または特定期間の給与等と退職手当等の支払額の合計のいずれかが1000万円を超える場合には、消費税の納税義務は免除されないことになりました。
 平成25年1月1日以後に開始する事業年度については、基準期間と特定期間の2つを判定して消費税の納税義務があるかどうかを判断する必要があります。

消費税の納税義務のない方によくある誤解

消費税の納税義務がない方によくある誤解として、消費税を納税する必要がないから、顧客に消費税を請求しないということです。消費税の納税義務がないのに顧客に消費税を請求するのは気が引けるという理由で請求されない場合もあります。
 これは消費税の仕組みを理解していないことによる大きな誤解です。この方は消費税を請求しないことにより損をしています。今は消費税が5%ですが、8%、10%と消費税率が増えるたびに損をしてしまう金額も増えていくので、どこかの時点で消費税相当額も請求をされたほうがいいと思います。

なぜ損をしてしまうのか仕組みを説明します。
 例えば100円(税抜)で販売をする商品を80円(税抜)で仕入れるとします。この方は消費税の納税義務がないので、顧客に対しては消費税込みの105円ではなく、消費税抜きの100円で請求しています。
 一方で仕入代金については、当然ながら消費税込みの84円で支払をしています。この方の手元に残るキャッシュは100円-84円=16円になります。

同じ商売をしている消費税の納税義務がある方の場合で計算してみます。顧客への請求は消費税込みの105円です。仕入は消費税込みの84円です。この方の手元に残るキャッシュは105円-84円=21円です。
 顧客から預かった消費税は売上代金に含まれる5円で、自分が支払をした消費税は仕入代金に含まれる4円です。消費税の納税額は、5円-4円=1円となります。先程の21円から消費税の納税額1円を引いた20円が納税後の手元キャッシュになります。

同じ商売をしているのに、消費税の納税義務がない方は16円しか手元に残らず、消費税の納税義務がある方は20円手元に残ります。消費税の納税義務がない方のほうが損していることになっています。
 消費税5%の時は4円の違いですが、消費税10%の時には8円の違いになります。売上100円で8円も利益が違ってくるわけです。

そうなってしまった原因は消費税の納税義務のない方が、顧客に消費税相当額を請求していないことが原因です。消費税を顧客に請求していれば、105円-84円=21円が手元に残るキャッシュとなります。消費税の納税義務がある方は手元に残るのが20円ですから、その差額1円だけ、消費税の納税義務がない方が得をしています。それは消費税の納税を免除されているからです。

消費税は各取引の段階で課税し、その前段階の消費税を控除するという仕組みで計算されます。そして最終消費者が納税額を最終的に負担するような仕組みになっています。納税義務のない方が消費税を請求しないと、自身が最終消費者になって、負担しなくてもよかった消費税を負担していることになります。
 誤解が多いとこですので、消費税の納税義務がない法人や個人事業主の方はご注意下さい。

消費税の控除の特例

消費税は、顧客から預かった消費税から自分が支払った消費税を控除して差額を納税する仕組みです(原則的方法)。自分が支払った消費税については、原則は自分が実際に支払った消費税額になりますが、小規模な事業者については消費税の集計が大変だろうということで、「簡易課税制度」という計算方法が認められています。

簡易課税制度の適用を受けることができる事業者は、次の2つの条件を満たしている事業者です。

1.簡易課税により計算をしようとしている課税期間の基準期間の課税売上高が5000万円以下であること

2.簡易課税選択届出書を原則として適用を受けようとする課税期間開始の日の前日までに税務署に提出していること

この2つの条件を満たしている必要があります。届出書をあらかじめ提出しておかなければならないことがポイントです。基準期間の課税売上高が5000万円を超えている場合には、簡易課税制度で計算したくても計算することはできません。

簡易課税制度の計算の仕組み

簡易課税制度で消費税の納税額を計算する方法は次の通りです。

1.課税売上に対する消費税額を計算する

2.1で計算した税額に業種に応じた仕入率(例えば卸売業は90%)をかけ、自分が支払ったであろう消費税額をみなしで計算する

3.1から2を引いて納付税額を計算する

2の控除する税額が、実際に自分が支払った消費税額ではなく、業種ごとの仕入率で計算した金額を支払った消費税額とみなしてしまうところに特徴があります。

業種ごとの仕入率は下記の図表の通りです。

業種の区分は、事業者の行う事業で判断をするのではなく、売上ごとにどの業種の売上に該当するのかを判断します。2種以上の業種区分が出てくる場合には少し複雑な計算をし、自分が支払ったであろう消費税額を計算します。

2回にわたって消費税の基本的な仕組みについて説明しました。消費税の納税義務者である法人や個人事業主は、
 1.原則の納税義務者(原則課税)
 2.簡易課税を選択している納税義務者(簡易課税)
 3.消費税の納税義務のない者(免税事業者)
のいずれかに属します。消費税について考える時は、自分が3つのどの区分に属しているのかを知らないと、とるべき対策を間違えてしまいます。まずは、自分がどの区分に属しているか確認してみて下さい。わからなければ税理士にご確認下さい。

佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

掲載日:2013年8月26日

本解説は、著者の見解に基づくものであり、対策の時期や目的、規模、期間、対象の個別事情などによっては想定されていた効果が出ない場合があります。実際の判断、経済活動にあたっては、必ず税理士などの専門家に相談するなどした上で自己の責任において行うようにして下さい。

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