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こんなときどうする 中小企業の税金と会計


管理会計

経営者のための管理会計(財務分析)

経営者のための管理会計として、「経営者のための管理会計のすすめ」と「貸借対照表はなぜ読みにくいのか?」を掲載しましたが、今回は経営者のための管理会計として財務分析について紹介します。
 財務分析とは、自社の決算書を他社と比較するために使う点数のようなものです。金融機関や投資家は決算書を財務分析して、この会社は資金を提供しても回収できるかどうか、収益性、安全性、生産性といった視点から採点しています。もちろん、決算書の数字だけを見ているわけではなく、決算書の数字に表れない部分も見ています。経営者としても、自社を客観的に眺めるためにこれらの財務分析指標を活用してみて下さい。

中小企業の財務分析の注意点

財務分析の仕方については、多数の書籍も発刊されているのでいくらでも勉強できると思います。しかし、中小企業の財務分析を行う際の注意点について記載されている書籍は少ないので、まずは筆者が考える中小企業の財務分析を行う際の注意点から話を始めます。

中小企業の決算書は大企業の決算書とは異なり、公認会計士の監査を受けてないことから、税法基準で作成されている場合が多いかと思います。税法基準で作成している場合、あくまでも基準が税金を計算することが主目的であることから、減価償却の計上が不定期であったり、税金が未払計上されていなかったりと、そのままでは採点できない状態のものもあります。
 その場合には、中小企業の会計に関する基本要領に基づいた決算書を作成してもらう必要が生じます。最近は中小企業の会計に関する基本要領に基づいた決算書を作成することがスタンダードになりつつありますので、この機会に自社の決算書がどのような基準で作られているのかも確認してみてください。

そして、中小企業の会計に関する基本要領で作成されていたとしても注意しなければならない点があります。それは役員報酬の金額です。役員報酬の金額をあえて多めにとって会社を赤字にしている企業もあると思います。逆に繰越欠損金の期限が近づいているため、会社を黒字化するために役員報酬を少なくしている企業もあります。役員報酬の金額は経営者が自分で決められるため、役員報酬の金額の影響が会社の損益計算書に表れてしまうのです。会社の損益計算書をそのまま使うよりは、多少補正をしたうえで分析したほうが結果を見誤らないと思います。

それでは以下、具体的な財務分析指標について説明していきます。

安全性について

金融機関や投資家にとって最も困ることは、会社が倒産して提供した資金を回収できなくなることです。そのため、まずは会社の安全性について確認していきます。そこで経営者も同様に自社の安全性から確認をしていきましょう。安全性の財務分析指標は、一言で言えば「この会社倒産しないか?」を確認するためのものです。

1.流動比率
 流動比率とは、会社が1年以内に資金が足りなくなり、支払不能な状態に陥らないかどうかを確認するための指標です。短期的な安全性を確認するために使用します。計算式は次の通りとなります。

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

流動資産は、現預金と1年以内に現金化される売掛金や在庫等です。貸借対照表の流動資産の部の合計金額になります。流動負債とは、1年以内に支払が予定されている債務のことです。こちらも貸借対照表の流動負債の部の合計金額になります。

流動比率は大きければ大きいほど会社の安全性が高いことになります。120-150%ぐらいを目指すといいと思います。流動比率が100%未満になっている場合はイエローカードです。資金ショートをどこかの時点で起こしてしまう可能性が高くなります。

2.自己資本比率
 次は長期的な視点からの会社の安全性の確認です。自己資本比率は、会社の総資産に占める自己資本の割合です。会社が資産を購入するには、株主からの資金と会社が蓄えた内部留保の合計(自己資本)で購入するか、借入を使って購入をします。自分の資金である自己資本と他人の資金である借入等の他人資本の比率を見て、自己資本の比率がどれぐらいあるかを確認するのです。
 計算式は次の通りとなります。

自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

自己資本比率は、高ければ高いほど会社が自己資本で資産を購入しているので、安全性が高くなります。自己資本比率は30-50%ぐらいあれば大丈夫です。自己資本比率がマイナスになっている場合は、債務超過といって会社が非常に厳しい状態にあることがわかります。

なお、中小企業が自己資本比率を計算する際には、純資産の部の合計だけでなく役員借入金も自己資本として計算をして下さい。

収益性について

会社の安全性の確認が取れたあとは、会社の収益性を確認していきます。提供した資金を回収するためにも、会社がどれだけ利益を稼ぐ力があるのかが重要なポイントだからです。

1.利益率
 損益計算書にはいろいろな利益があります。利益率とは、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益などそれぞれの段階での利益について、対売上比でどれだけの割合となるのかを示したものになります。代表的なものとして売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率があります。計算式はそれぞれ次の通りとなります。

 売上高総利益率(%)=売上総利益÷売上高
 売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高
 売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高

売上高総利益率はいわゆる粗利と呼ばれるものになります。会社が稼いだ付加価値になります。粗利は業種によって大体決まってくると思いますので業種ごとの平均値と比べてみて下さい。粗利は高ければ高いほど会社の収益性が高くなります。
 売上高営業利益率と売上高経常利益率は、会社の利益を稼ぐ力としてよく見られます。営業利益率や経常利益率も業種によって大体きまってくると思いますが、中小企業では業種に関係なく、営業利益率で10-20%になっているとかなり強い会社と言えるのではないかと思います。

生産性について

最後に生産性についてです。

1.1人あたり付加価値額
 これからの会社は1人あたり付加価値額を重視すべきと考えている筆者としては、最も重視してもらいたい指標になります。1人あたりどれだけの付加価値を生み出しているのかがわかる指標です。計算式は次の通りとなります。

1人あたり付加価値額=付加価値額(粗利)÷従業員数

付加価値額は粗利と考えて下さい。従業員数については、社員だけの場合はそのままの人数で構いませんが、アルバイト・パートの方が多い場合には、社員1アルバイト・パートを0.5人とカウントする等してなるべくフルタイムで働いていると仮定した場合の人数を使うようにして下さい。

1人あたり付加価値額が高い会社は、少数精鋭で高効率な経営を行っている会社となります。1人あたり付加価値額は1300万ぐらいをまずは目標として下さい。大企業の平均がそれぐらいです。理想は、1800万-2000万ぐらいになっていることです。1人あたり付加価値額が高い会社は、従業員の方に給与を多く支払うことが可能です。

財務分析指標は実際に自社の決算書を使って、自分で電卓を使って計算をしてみることをオススメします。計算をする仮定で決算書を眺めなければなりませんので、決算書に慣れるチャンスでもあります。是非これらの財務分析指標を使って、自社を客観的に採点してみて下さい。

佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

掲載日:2014年2月24日

本解説は、著者の見解に基づくものであり、対策の時期や目的、規模、期間、対象の個別事情などによっては想定されていた効果が出ない場合があります。実際の判断、経済活動にあたっては、必ず税理士などの専門家に相談するなどした上で自己の責任において行うようにして下さい。

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