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こんなときどうする 中小企業の税金と会計


管理会計

消費税増税時代に成長する企業となるために準備すべきこと-後編-

前回に続き、消費税増税時代をどのように活かすかという視点をまとめたセミナー(中小機構基盤整備機構主催のセミナー「消費税増税時代に成長する企業となるために準備すべきこと」)の内容の後編をご紹介します。

最近の税制のトレンドを把握する

財務省が発表する、約30年間の所得・消費・資産等の税収構成比の推移をみるとある傾向がわかります。

まず、30年くらいのスパンでは、個人所得税の税収比率は30%ちょっとであまり変わりません。個人所得税は税収の基幹と言われ、いまだに税収構成比ではトップとなっています。
 次に、法人所得課税は30%ぐらいの構成比だったのが、徐々に減って平成25年には20%にまで落ち込みました。30年スパンでは10%近く減ったことになります。法人所得税は利益に対して課税されるので、20年以上続く不況と度重なる法人税減税が影響しているのだと思います。
 最後に税収構成比で明らかに増えているのが消費課税です。平成元年に消費税が始まってから着々と税収構成比が上がっています。30年前は19%しかなかったのが平成25年には31%になっていました。30年で12%も増えたことになります。
 資産課税は15%前後であまり変動はありません。
 以上が30年スパンでみた税収構成比の推移になります。国民負担率の推移という別の表をみると同じ30年スパンで社会保障負担が約9%増えています。

過去30年ではこのように税負担が推移しました。今後のことを考えると、現時点で負担が増えることが決まっているのが消費税、社会保険料、相続税・固定資産税等の資産課税です。また、増える傾向に向かいつつあるのが所得税です。
 一方、引き続き減る方向に向かっているのが法人税です。成長企業の税務戦略としては、この税制のトレンドにのって考えるのが効果的です。税務戦略とは、一言で言えばいかに手元キャッシュを増やすかです。

まずは個人・法人間の最適化を図りましょう。所得税・社会保険が増加傾向で法人税が減少傾向のため、昔のように法人を赤字にして役員報酬を多めにとるという戦略ではなく、役員報酬を少なめにして、法人を黒字にして法人税を支払うという方針のほうが手元キャッシュを増やしていくことが可能です。黒字化して法人税を納税している企業は、金融機関での評価も高くなるでしょうから、税負担の差以上の効果を企業にもたらすと思います。

次に経費だけど簿外資産として積み立てられる経営セーフティ共済のようなものを有効活用します。簿外に積み立てたものは、経営が悪化した時に取り崩せば臨時収入にできますし、経営者の退職金の原資としてもいいでしょう。

最後に政策的減税を活用します。雇用促進税制や投資促進税制など、その年ごとにいろいろな政策的減税がありますので、適用を受けることが可能な税制は積極的に受けるようにして下さい。消費税増税に合わせて平成26年度の税制改正では、さらなる政策的投資減税が行われることが予定されています。新しい情報にもアンテナをはりましょう。

ITを有効活用する

最近の成長企業に共通するのはITの有効活用です。ITの有効活用というとインターネット販売だったり、SNSの活用のことを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ネットで売上を稼ぐのは1人勝ちの世界で中小企業にはハードルが高いと思います。
 そこで、筆者がオススメするのが、バックボーンをITで効率化することです。一言でいうと脱ワードエクセル管理です。個々のサービスの紹介は割愛しますが、クラウドサービスや営業支援システム、グループウェアを活用することで、日々の業務を効率化する余地が中小企業にはまだまだ残されていると思います。
 成長している企業はITを使って効率的に仕事をしています。ITを使って生産性向上を目指すことは今すぐにできますし、1人勝ちの世界ではなく、やった人が勝つ世界です。見えないところをITで効率化し、空いた時間は顧客との商談に費やすことができれば、売上を上げるということも可能だと思います。

成長し続けるために準備すべきこと

最近「仕事がなくなる」といった類の情報を目にする機会が多くなりました。例えばITによって仕事がなくなるというようなものです。
 確かに技術の進化によって単純労働はどんどんなくなっていくことでしょう。会社も同じです。厳しい競争の中で生き残っていかなければ100年後も残れる会社とはならないでしょう。
 消費税が増税されるという、企業にとっては厳しい時代です。それでも成長し続ける企業になるためには、どのようなことを準備しておけばいいのでしょうか?これから先も消費税増税のようにいろいろな問題に企業は直面します。その時にも対応できる普遍的なことを考えてみました。

まず、100年後も残っている会社とは、100年間価値を提供し続ける会社ではないかと思います。価値はどこから生まれるのか?を考えてみると、希少性というのが思い浮かびます。
 以前、本コラムでも紹介したロマネ・コンティというワインはロマネ村のある限られた畑からしか取れないぶどうを使ってワインを作っているため、年間に生産できる本数が限られています。中小企業にとってもロマネ・コンティのような希少価値のある商品を作ることができれば、価値を提供し続けることが可能でしょう。しかし、すべての中小企業がロマネ・コンティのような希少価値のある商品を作り続けることができるわけではありません。もう少しハードルを下げて、普通の中小企業でもできることはないだろうかと考えてみました。

中小企業では、普段のちょっとした工夫・知恵・アイデア・ひらめきを価値に変えることができるのではないかと思います。ペダルのない自転車として大ヒットしているストライダーは、自転車のペダルをなくすという発想の転換で、小さな子どもでもバランス感覚を鍛えながらかっこよく遊べる遊具となりました。ペダルをなくすというちょっとしたアイデアが、ランニングバイクという幼児向け商品の新しい市場を切り開いたのです。
 このようなちょっとしたアイデアであればどのような中小企業でもチャンスはあると思います。ちょっとした工夫・知恵・アイデア・ひらめきを総称してクリエティビティと言い換えます。クリエティビティにより会社を進化させることで価値を提供し続けることができると考えています。

ところが、物があふれている現代ではクリエティビティでよい商品を作ったとしても、それだけではダメなのです。よい商品が売れるわけではないからです。よい商品を作ったとしても、その価値が顧客に伝わっていないと売れないのです。ですから、クリエティビティにその商品の価値を伝えるコミュニケーションを付け加える必要があるのです。
 クリエティビティ(Creativity)+コミュニケーション(Communication)。作る時はクリエティビティを活かし、伝える時はコミュニケーション力を活かす。2つの「C」を進化させていくことで100年先まで価値を提供し続ける会社として残るのではないかと思います。

どうやって実現させるの?

最後に本コラムでお伝えした事項がいくつかありますが、それをどうやって実現させるのか?について話したいと思います。
 経営者の方は普段とても忙しいですが、新しいアイデアや考え方に共感するとすぐに実行に移していると思います。何かを考えて実践、また別のアイデアを実践、そしてまた別のアイデアを実践、というような感じで日々いろいろなことを実践されています。
 ところが、実践した結果を検証したり、振り返ってみたりすることが意外と少ないのではないかと、傍から見て感じています。経営について闇雲に実践していくだけではなく、ちょっと一呼吸おいて、ふと立ち止まる時間を確保することが大事なのではないかと思います。毎月1回は、自社の経営を振り返る習慣をつける。実行力のある経営者である程、ちょっと立ち止まってみる時間を確保されてみてはいかがでしょうか。

消費税増税時代に成長企業となるために準備すべきことは、どんなに忙しくても経営について振り返る時間を確保することだと思います。

佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

掲載日:2014年2月 3日

本解説は、著者の見解に基づくものであり、対策の時期や目的、規模、期間、対象の個別事情などによっては想定されていた効果が出ない場合があります。実際の判断、経済活動にあたっては、必ず税理士などの専門家に相談するなどした上で自己の責任において行うようにして下さい。

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