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こんなときどうする 中小企業の税金と会計


組織運営と雇用

役員に対する給与と賞与はどう処理すればいいの?

みなし役員ってどんな人?

法人税法では使用人に対する給与と役員に対する給与とでは取扱いが異なります。使用人給与は、雇用契約に基づく労働の対価なため、給与・賞与とも損金算入が認められています。

それに対し役員給与は、役員は株主から会社の経営を委任されており自らの給与を自由に決められる立場にあるため、一定の要件を満たす給与についてのみ損金算入が認められています。

使用人と役員とでは、取扱いが異なっていますが、そもそも役員とは何でしょうか?法人税法では、「本来の役員+みなし役員」が役員の範囲になっています(詳細は国税庁で確認することができます)。

使用人兼務役員ってどんな人?

中小企業では、役員が使用人としての職務を兼任する場合があります。役員のうち部長、工場長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ常時使用人としての職務に従事する者については、税務上「使用人兼務役員」といいます。

この使用人兼務役員に対して支給される給与のうち、使用人部分の給与については損金算入が認められています。ただし次のような役員等は、使用人兼務役員となりません(詳細は国税庁で確認することができます。)

税制改正で役員報酬と賞与は費用処理へ

役員給与については、平成18・19年度の税制改正で取扱いが改正されました。改正前の法人税法では、役員に対する給与のうち定期的に支給する報酬については損金の額に算入し、一方、定期の給与に該当しない賞与・利益処分による賞与については損金の額に不算入とされていました。

しかし平成18年5月1日に施行された会社法において、役員の報酬と賞与は職務執行の対価として一本化され、企業会計基準においても役員賞与は役員報酬と同様に費用処理することとされました。

そこで、法人税法でもそれに合わせて改正がなされ、平成18年4月1日以後開始する事業年度において支給する役員給与については、次の掲げる3つの給与について損金の額に算入することとされ、いずれにも該当しないものは損金の額に算入できないことになりました。

なお、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額や、法人が事実を隠蔽または仮装して経理をすることにより役員に対して支給するものは、損金の額に算入されることはありません(詳細は国税庁で確認することができます)。

【例示1】

増額改定が3ヶ月以内にされており、株主総会決議前の50万円と決議後の70万円が同額で定期のものなので、定期同額給与に該当することになり損金となります。このケースでは増額改定ですが減額改定の場合も同様です。また改定がなかった場合は定期同額給与となります。

【例示2】

増額改定が3ヶ月以内にされていません。10月以降の増額20万円は、定期給与50万円とは別の給与が上乗せで支給されているものとなり、50万円は定期同額給与として損金となり、上乗せ部分20万円は損金不算入となります。

【例示3】

事前確定届出給与は、支給時期、支給金額が事前に確定し、実際もその通りに支給されるものになります。

  1. (1) 届出通りに支給されているものについては損金の額に算入されます
  2. (2) 実際支給額が少ない場合はその支給額全体が損金に算入されません
  3. (3) 実際支給額が多い場合は超過額だけでなく支給額の全額が算入されません
【例示4】

事前確定届出給与は、複数回の支給がある場合においても、支給時期、支給金額が事前に確定し、実際もその通りに支給されることが必要です。(1)A社および(2)B社とも1回は定めの通り支給されていても、残り1回は定めの通りに支給されておらず、事前確定届出給与に該当しません。

しかし、(1)A社の場合は、平成21年3月期は定め通りに支給し、平成22年3月期は支給しませんでした。平成22年3月期に支給しなかったことが平成21年3月期の課税所得に影響を与えるものではないため、平成20年11月支給分は損金の額に算入してもよいことになっています。

掲載日:2008年10月 2日

本解説は、著者グループの見解に基づくものであり、対策の時期や目的、規模、期間、対象の個別事情などによっては想定されていた効果が出ない場合があります。実際の判断、経済活動にあたっては、必ず税理士などの専門家に相談するなどした上で自己の責任において行うようにして下さい。

組織運営と雇用


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