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元気印 中小企業 独自の技術や発送を武器にがんばる日本各地の中小企業を紹介します

掲載日:2016年3月28日

[近畿エリア]

東亜精機工業
精密な治具で自動車業界に貢献

ワーク(加工対象物)を固定し、切削工具などを制御・案内する装置で、モノづくりに不可欠な治具。位置決めの精度を高められ、穴開けなどが正確にできる。治具にワークを設置するだけで高精度な部品をつくれるため、同じ部品をロット単位で加工する場合に用いれば効率的に生産できる。この治具における高い技術で日本の産業に貢献しているのが、機械加工用治具や検査用治具の専業メーカー、東亜精機工業だ。

  • ゲージ製作で培った高精度な治具製造技術
  • 強力な設計部門
  • 一品一様の生産で磨いた顧客対応力

国内外の生産ラインで活躍

マシニングセンタ(MC)などの工作機械用を専門に、設計から製造、組み立てまで一貫生産する。自動車部品の生産工程向けが大半で、エンジン部品のシリンダーヘッドやシリンダーブロック、クランクシャフトなどの加工工程で同社の製品が使われている。国内だけでなく、米国やアジアといった海外の工場の生産ラインでも同社の治具が多数活躍している。

治具は複数の部品を組み合わせて完成するため、部品ひとつひとつには1000分の1ミリメートル単位の高い精度が必要で、かつ組み合わせた状態で精度が出なければならない。非常に精密な仕上がりが求められる。同社は創業して約90年になるが、早くから製品サイズの確認に用いるゲージ(工業用模範)を手がけてきたのが強みだ。というのも、治具に必要な精度が100分の1ミリ~100分の2ミリメートルというレベルなのに対し、ゲージには1000分の1ミリメートルとより高い精度が求められるからだ。ゲージで培ったこうした技術を生かして治具の製作を始めた経緯もあり、現在は治具が全事業の9割を占める。長年の経験から、鉄を削るノウハウや熱で変化する材料の特性も熟知している。

受注後は治具の仕様や預かったワークの図面をもとに設計、製作する。同社から形状などを提案することもある。「一品一様の受注生産方式ながら、日本で一番数量がつくれるメーカー」との定評もあり、多い時には月50個を生産したこともあるという。設計部門は自社の社員10人弱に加え外部からの協力を得て計20人強の体制を敷くなど強化。治具の加工と検査、計測の前には20度Cに保った恒温室にワークを保管するなど温度管理を徹底し、品質を確保している。

職人技で差別化、技能継承も進む

職人技で差別化、技能継承も進む

定年後の技能者が技を伝承

高い精度を支えるのは職人技だ。中心となる研磨などの仕上げ加工と組み立てで優れた技能を持ち、地元自治体からその腕を認められた技能者もいる。同社の仕事を専門に、粗加工を手がける協力会社の存在も欠かせない。定年を迎えた技術者が週に数回若手を指導し、着実に技が受け継がれている。50代から60代が20人を超えているのに対して40代が少なく、技能伝承が危ぶまれた時期もあるが、現在は20代が増えてきているという。

500ミリ×500ミリメートルと大型の材料まで対応可能な平面研削盤や、内径を研磨する円筒研削盤など設備も豊富にそろえ、新しい設備の導入も必要に応じて実施。他社にはない深穴加工用のガンドリルマシンを2台設置し、うち1台は納期対応や生産能力増強を目的に2015年7月に導入したばかりだ。この機械があれば通常10センチメートル程度の穴が開けばいいところを1メートル以上開けられるといい、他社との差別化を狙って活用していきたい考えだ。

情報発信にも積極的だ。自社のホームページを通じて定期的に最新の技術情報などを紹介する「治具技術ニュース」を発行しているほか、2010年に「治具では画期的」(原田育彦取締役営業部長)という工作機械専用治具の総合カタログを作成した。日本語版だけでなく英語版やタイ語版も用意し、世界レベルで顧客対応を可能にしている。

ハイブリッド自動車や電気自動車の台頭により動力にモーターの使用が増え、今後は内燃機関の採用が少なくなっていくのではないかという懸念がある。同社にもその影響が考えられるが、十時理祐社長は「エンジン向けで生き残りたい」と方針を変えるつもりはない。海外では、2年前にタイの工業団地にレンタル工場を設立。現在は営業活動がメーンだが、MCも1台設置し、日本と同じ品質で加工できる体制が整いつつある。

顧客が求める性能や品質を具現化し、技術を蓄積していくうえで必要な人材は「モノづくり全般が見渡せて、一芸に秀でた人」(十時社長)。ここ数年は、新卒採用も毎年実施している。レベルの高いモノづくり、人づくりで、今後も顧客の生産現場を支援していく考えだ。

業界初の治具カタログで顧客開拓

工作機械専用治具の総合カタログの作成は業界で初めての試みといい、同社がこれまで培ってきた技術やノウハウが詰まった1冊となっている。カタログは150ページ超にわたり、取り付ける工作機械別に分類して対応するワークの用途やサイズ、治具のサイズなどのほか約70の設計事例を図面で紹介。部品加工時のよくあるトラブルと改善策も掲載するなど生産効率化や品質向上のヒントも提供し、顧客開拓のツールとして活用している。

企業プロフィール

十時理祐社長

十時理祐社長

会社名 東亜精機工業株式会社
法人番号 4120001013084
代表者 十時理祐社長
業 種 機械加工用治具、検査用治具などの設計・製作
所在地 大阪府大阪市東成区中道1-5-8

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