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元気印 中小企業 独自の技術や発送を武器にがんばる日本各地の中小企業を紹介します

掲載日:2016年3月18日

[関東エリア]

山信金属工業
自動車工場を支えるマグネット機器の専門メーカー

山信金属工業は、産業機器としてのマグネット応用機器を製造している。2015年12月には小型の積載鉄板分離システム「ミニチュアシートセパレーター」を発売した。ライン内の送り装置に組み、磁力で3センチメートル四方の小さな鉄板を1枚ずつ分離できる。鉄板の取りすぎによる歩留まり低下を防ぐ、かゆいところに手が届く装置だ。磁石機器を専門とする同社には、自動車メーカーなどからこのような開発ニーズが寄せらせる。

  • 磁石専門メーカーとしての顧客からの信頼
  • ベルトコンベヤーから広がる需要
  • ソフト導入による開発期間の短縮とコスト削減

単体販売から工場向けに進化

1958年に創業して以来、自動車業界をはじめ製缶・鉄鋼業界など、鉄を使って製品を大量生産する業界向けに生産設備用のマグネットを納入している。創業当初は磁石単品を加工して販売していた。製造現場への納入は、山田社長の父親にあたる2代目、山田裕紀前社長(現会長)の時代に始まったという。

磁力で小さな鉄板を1枚ずつ取り分ける装置「ミニチュアシートセパレーター」

磁力で小さな鉄板を1枚ずつ取り分ける装置「ミニチュアシートセパレーター」

「そのままじゃ使いにくい」という顧客の声を聞き、現場で使いやすい形に加工して、マグネット応用機器として大手自動車メーカーへ売り込みを始めた。そうした苦労の甲斐あってある大手自動車メーカーが採用、そこから現在のビジネスに広がっている。

磁石が実際に使われているのは、ベルトコンベヤーや鉄板分離システムなどだ。納入先それぞれの要望に合わせ、同社の技術者らが各現場を見て、それぞれに最適な業務用マグネットをオーダーメイドで設計製作している。2015年には磁場解析ソフトを導入した。このソフトを利用して、工場に納入するマグネットの量や形の検討を始めた。

「ただ解析しても実際と挙動が違うことが多々ある。そんな時、従来はコストをかけて実際に制作し、時間と労力をかけて測定していたが、ソフト導入後はソフト上である程度の傾向がつかめるため、想定磁力の算出までの時間が短縮され、試作が減る分コスト軽減につながった」(山田社長)。現在、解析ソフトを使いこなせる社員は1人だけ。「早くもう1人増やし、対応力を高めて顧客の要望に応えたい」(同)という。

専門メーカーの強みと弱み

現状では自動車や製缶、鉄鋼工場などの生産設備向けのベルトコンベヤー内蔵マグネットが中心だ。自動車業界ではプレス成形機の周辺機器としてマグネットシートセパレーターなどの分離機器も利用しており、売上の7割は自動車業界が占めている。

山田社長は「プレス関連の需要は高まっている。ニッチ分野のため競合他社は少なく、着実に実績を積み重ねている」と、この分野に期待する。顧客から『マグネットはよくわからないからプロに任せよう』と選んでもらえるのが強みだ。マグネットが使える産業分野はまだまだあるはずだが、顧客自身がよくわかっていないニッチな分野。実際の生産現場に入り込まないとそういった提案がしにくい」のが悩みだ。

いかに新しい業界にマグネットの利用法を伝えられるかが課題。山田社長は「ベルトコンベヤーはもちろん、ロボットハンドにマグネットをとりつければワークを簡単に運べる。モノを運ぶ部分で応用していきたい」と、特に家電製品や精密機器分野をターゲットにしている。

世の中で鉄製品を大量生産している限りマグネットは使えるはずだ。ただ、「顧客業界の動向に左右される」のが設備産業の宿命であり、同社もリーマンショックの余波で2012年には休業したこともある。もうひとつ、懸念材料がある。近年、鉄の代わりとして軽いアルミが使われ始めている。山田社長は「アルミは磁石につかないため、代わりとなるバキューム装置の性能向上に努めたい」と話す。バキューム装置は現在でも扱っているが、あくまでも鉄用として磁石の補助機能のため性能が粗めだ。吸引力、ノズル、スイッチのオンオフなど、各性能のアップを急いでいる。

若手社長ならではの経営哲学

山田社長は40代前半と、経営者としては若手だ。従業員には年長者も多い。「経験・知識を活かしてもらうために、常に敬意を払うよう意識している」という。また、誰に対しても威圧的な雰囲気を避け、相手の意見を聞き出し易い雰囲気作りを心がけている。もちろん「最終決定者として、必要な時にはトップダウン」で臨む。

経営者として意識しているのは「いろいろな人と仲良くなっておく」ことだ。取引先、協力会社はもちろん会計士や社労士などと起業を支える人との連携も経営上の要だ。「それぞれの得意分野を協力して活かしてはじめて、経営が成り立つ。そのためにも自分を磨き、多くの経験を積むこと」を大切にしている。

需要の見極め力と人柄がカギ

鉄のワークであれば、磁力で接着させるだけで確実に運べるのが磁石の利点。自動車や鉄鋼など鉄をたくさん使う既存のユーザー業界に加え、ニッチな分野への取り組みが起業を成長させる上で欠かせない。世代や分野を問わずさまざまな人と信頼関係を築いていく山田社長の姿勢があれば、磁石のように周囲の人をひきつけ成長していけるだろう。

企業プロフィール

山田 洋社長

山田 洋社長

会社名 山信金属工業株式会社
法人番号 8010401012115
代表者 山田 洋社長
業 種 マグネット応用機器・装置の設計、製造、販売
所在地 東京都港区芝5-27-3

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