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元気印 中小企業 独自の技術や発送を武器にがんばる日本各地の中小企業を紹介します

掲載日:2016年2月23日

[中部エリア]

大羽精研
技術も経営も飽くなき改善

大羽精研は大きさが300ミリメートル以下の小物部品の加工を主力としている。板金と溶接以外のさまざまな加工を受注しており、対象材料もチタンや超合金「インコネル」を含む金属からセラミックスやガラスまで幅広い。1個の試作から量産まで柔軟に対応する。個々の加工技術の高さに加え、2013年には改善活動も本格導入。生産性を30%以上高めて競争力を磨いている。

  • あらゆる要望にこたえる生産設備と技術
  • 改善活動による匠の意識改革
  • ライン再構築による効率の見える化

「できない」と言わない会社

1973年に創業した同社は「できないは禁句」を基本方針に掲げて成長してきた。顧客の幅広い要求に最適条件でこたえるため、研削盤70台、マシニングセンター(MC)80台を中心に、放電加工機なども含め200台以上の加工機を保有。しかもさまざまなメーカーの設備をそろえ、納期短縮のため工具も一部は内製している。難しい注文に挑みながら、20以上ある各工程で従業員一人ひとりが“匠の技”を磨いてきた。

工程設計に13人もの社員を配し、2次元図面1枚からでも複雑形状部品の加工を引き受けられるのも同社の特徴だ。さまざまな設備と技術を組み合わせ、高難易度の加工も高効率、短納期でこなす。測定装置群も充実させており、検査部門だけで30人を置く精度保証体制も強み。0.5マイクロメートルの超高精度も保証できる。また産業機械部品の受注が中心で、自社内に部品組み立て部門も持っている。

自社向け工具の生産設備も備えている

自社向け工具の生産設備も備えている

成長への大きな決断

そんな同社が、「企業規模が大きくなり、オーナー経営ではさらなる成長が難しい」という創業家の判断により、2013年4月に非鉄金属商社のアルコニックスの子会社になった。「社員はとてもまじめ。個々の技術はすばらしい」と2013年7月に同社の経営を引き継いだ尾崎幸一社長は分析する。

一方で「自分の仕事以外に目がいかず、会社としての全体最適への意識が弱かった」と尾崎社長は着任時の印象も打ち明ける。工程別ごとに技術教育が徹底していたが、それが「教えられた方法をいつまでも守り、見直すという姿勢がない」という弱点にもなっていた。

そこで2013年11月には全社員で集会を開き、尾崎社長が改善活動の導入を宣言。4、5人をグループ化した小集団活動と「5S3定」(整理・整頓・清掃・清潔・しつけと定位、定品、定量)を同社に持ち込んだ。「目指すのは全員参加」(尾崎社長)。同社のイニシャルを掲げ、2017年3月期までの3カ年に売上高を1.5倍の60億円に、生産性をプラス30%にし、労働災害はゼロにする目標「OSK630」も示した。

社員たちにはそれまで改善活動の経験がない。活性化のため、効果の多少にかかわらず提案1件につきグループに500円を支給する制度を設けた。成果の大きなグループには半期単位でポイントをつけ、最高10万円の報償も出す。提案は職場に掲示し、他グループによる真似も推奨している。

これらにより短期間で社員に改善活動が定着した。2014年度下期は全20グループから1カ月・1グループあたり40~50件の提案があった。「自分たちで何かをしようという自主性が生まれた。ばらばらだった職場にチームワークが生まれ、他職場への意識も出てきた」と尾崎社長は見る。生産性の30%向上はすでに達成。売上高60億円も目の前だ。

社員のコスト意識高める

今後に向け、ハード面の見直しも進めている。本社工場の200台以上の設備を2017年3月までに再配置する計画だ。8億円をかけて一部設備を更新、増設もし、生産管理システムも一新する。従来はMC、研削盤、放電加工機、測定装置などを工程別に配置して全製品で併用しており、各製品の生産性が把握しにくかった。

これを大別して、(1)量産加工、(2)1個から数十個の試作・少ロット加工、(3)部品組み立て-に再配置する。さらに量産加工では形状の違いなどに分けて5本の一貫ラインを構築する。ライン別に生産性を的確に把握できるようにして、個々の問題点を“見える化”し、社員のコスト意識をさらに高める考えだ。

2015年3月期の売上高は58億円で、顧客1社の売り上げが8割を占める。より高難易度の加工の受注が年々増えており、製品別の一貫ラインで納期や高品質の対応を強化して存在感を示しながら、収益力も高める方針だ。伝統に根ざした個々の技術力を最適に組み合わせ、安定して60億円規模の売上高が確保できる企業体質を目指す。さらに尾崎社長は「製品の競争力を高めて自動車部品など他の顧客の受注も増やしたい」と将来の展望も描いている。

冷静な目と熱い心

創業者の大羽良晴氏は、高品質や高難易度の加工に強い意識を持ち、他社に先駆けて高価な海外製設備も導入するなど、差別化を推し進めてきた。しかし会社の潜在力を引き出し、もう一段高いステージに登るには、必要以上のこだわりは持たない冷静な“外部の目”が必要だ。尾崎社長は鉄鋼業界などで工場経営に豊富な経験を持ち、改革には適任。一方で、大羽氏が顧問で残り「ものづくりの熱い心」を現場に伝え続けているのもすばらしい。

企業プロフィール

尾崎幸一社長

尾崎幸一社長

会社名 大羽精研株式会社
法人番号 8180301005268
代表者 尾崎幸一社長
業 種 部品加工・組み立て
所在地 愛知県豊橋市寺沢町字深沢170

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