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最新ランキングで丸わかり! 2010年流通事情

2010年12月6日更新

春を謳歌 好調をつづける業態 業績が改善した業態は?

時の勢いに乗る家電量販、ディスカウントストア

 各業態が消費不況の影響で打撃をこうむるなか、春を謳歌しているのが家電量販だ。

 上場小売決算2010ランキングを見ると、ランクインした家電量販各社の合計営業収益は対前期比3%増、経常利益にいたっては同55.4%増だった。首位のヤマダ電機、エディオン、ケーズホールディングスの上位3社が揃って、経常利益を対前期比で1.5倍以上に伸ばすなど、“エコポイント景気”に湧いた。

 2010年12月に終了予定だったエコポイントが延長される見通しで、さらに、2011年には地デジ化完全移行も控えることもあり、追い風は当面続きそうだ。

 時の勢いに乗っているもう一つの業態がディスカウントストア。上場小売決算2010ランキングを見ると、最大手のドン・キホーテの売上高は対前期比6.1%増の3267億円。営業利益、経常利益ともに2ケタ増を確保。ライアルカンパニーも、売上高対前期比22.4%増、営業利益同73.7%増とV字回復を達成。ミスターマックスも、前年の減収減益から盛り返した。いずれも、最大の売りである“低価格”がデフレ経済とマッチした結果だ。

 ただし、小売業各社が低価格攻勢を強め、競合環境は厳しくなっている。価格競争力を強みとするディスカウントストアにとっては、これからが正念場となりそうだ。

 値下げ圧力が高まる卸売業界は中国に活路

 日本の中間流通1000社ランキング2010を見ると、多くの業種で減収となる企業が相次ぎ、売上総額も2008年度から減少した。取引先である小売各社が価格競争にさらされる中、卸売にそのしわ寄せがきている。

表3:中間流通1000社

 中間流通1000社ランキングの売上総額は63兆2634億円となり、2009年1000社ランキングの64兆5010億円から約2%減少した。

 そんな中でも業績を改善した企業が多かったのが食品卸売業と医薬品卸売業。

 食品卸売業では大手の業績が好調で、コスト削減や不採算取引の削減などの採算管理を徹底したほか、食品メーカーからの仕入割戻金の増加などによって収益を改善している。

 ただ、収益改善が進んだとはいえ、国内の食品流通市場が縮小傾向にある中、一層の経営合理化が望まれている。そんな中で、三菱商事が連結子会社4社の経営統合協議入りを発表した。5社の売り上げを単純合算すると2兆円超となり、現食品卸最大手の国分を抜き、トップに躍り出ることになる。昨年来続いてきた経営統合の動きに、まだ一幕もふた幕も波乱がありそうだ。

 医薬品卸売業は、新型インフルエンザ関連商品の需要増、そして、引き続き、高齢社会の伸長という追い風によって順調に推移。メディパルホールディングスをはじめ大手は、いずれも売上を伸ばすとともに収益も改善した。

 一方、業績が落ち込んだのが衣料・繊維卸売業である。主要販路の百貨店、総合スーパーの低迷が大きく影響し、ワールド、オンワード樫山、三陽商会などいずれも減収となった。

 いずれにしても、小売業の販売低迷が卸売業はますます厳しい経営環境がまっている。縮小に向かう国内市場から、成長市場の中国に目が向くのは当然の成り行きだろう。

 菱食・三菱商事連合はすでに1996年から中国での事業に乗り出し、加藤産業・住友商事連合も広東省の卸売業に07年から出資している。日本アクセスは伊藤忠商事傘下の現地卸企業に出資。国分も10年3月、現地企業と合弁会社を設立し、山東省で卸売事業に乗り出した。医薬品卸売業では、メディパルが中国最大の医薬品卸である国薬ホールディングスと組んで、中国における医薬品流通分野での合弁事業を開始している。(次ページへ続く)