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最新ランキングで丸わかり! 2010年流通事情

2010年12月6日更新

不況の出口が見えてきた業態は?

ドラッグストア、ホームセンターは競争激化に
外食は不況の出口が見える

 日本の小売1000社ランキング中、ドラッグストア企業数は102社で、売上総額は約4兆7608億円。市場は拡大傾向を示しているが、2009年6月の改正薬事法施行以来食品スーパーや総合スーパーをはじめとする他業態が続々と参入し、競争環境は厳しさを増している。

 上場小売決算2010ランキングを見ても、2ケタの増益となった企業は12社に上り、消費不況と言われる経済環境下でも概ね好調な企業が多い。健康や美容への意識の高まり、高齢社会がその背景にあり、業界全体として市場の広がりが期待されるだけに、市場の低迷に苦しむ他業態の進出が目につく。

 こうした流れを受け、好業績を維持してきた業界首位のマツモトキヨシホールディングス、2位のスギホールディングスがともに失速しており、今後のドラッグストア業界の波乱を予感させる。

 ドラッグストアとは違った意味で競争が激化しているのがホームセンター。市場規模は推定3兆5970億円(対前年度比1.2%減)と3年連続の減少。ピーク時の1995年度に443社存在したホームセンター企業は、09年度には229社とほぼ半減。その反面、上位企業を中心に出店意欲は旺盛で、09年度の店舗数は4205と対前年度で70店舗が増加。市場規模が拡大しない中で、売場面積だけが確実に増加している。

 アパレル業界も、オーバーストアぎみなのは同じ。日本の小売1000社ランキングの上位30社で見ると、減収企業は約3分の2を占める。

 そんな中、独走状態なのが「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング。2009年8月期で連結営業利益が1086億円(同24%増)と大台を超え、過去最高を記録。売上・利益ともに際立った成長力を見せつけた。

 ファストファッションの台頭や低価格志向が強まる中、企業間の業績格差がいちだんと鮮明になってきている。

 一方、同じく厳しい競争の中でも、一足早く激しいデフレによる価格競争にさらされた外食は、苦境からの脱却も一足早いようだ。

 日本マクドナルドホールディングスは2010年6月の中期決算で全店売上高が前年同期比2.9%増の2682億円、営業利益は同51.8%増の146億円となり、いずれも、中間決算としては過去最高となった。かつて、創業以来初の赤字転落の原因になった低価格メニューを残しながら、訴求性のある高価格帯の新メニューを次々ヒットさせたことが要因。

 さらに、そのマクドナルドをしのぎそうなのが、上場小売決算2010ランキングで外食部門の2位となったゼンショー。低価格志向を反映させた来店客数アップ施策が奏功し、連結売上高は対前期比7.7%増となる3341億7200万円。コストコントロールの手法をグループ全体で徹底し、収益性も大きく改善させ2011年には業界首位に立つ見込みだ。

 前年は、激しい値下げ合戦で厳しい決算となったが、価格競争も行き詰った2010年は各社とも個性を出す方向に転換。この結果、業績を持ち直している企業が増加傾向にあり、不況の出口が見えてきた。(次ページへ続く)