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最新ランキングで丸わかり! 2010年流通事情

2010年12月6日更新

不振が深刻な業態 急速に下降した業態は?

総合スーパー、百貨店の不振はより深刻に

 多くの小売業が売上低迷に苦しんでいるなか、とりわけ深刻なのが百貨店と総合スーパーだ。

 日本の小売1000社ランキングにランクインした百貨店の売上高合計は、08年度の7兆5400億円に比べて09年度は約6兆3700億円であり、百貨店だけで1兆円以上も減っている。総合スーパーも同様、ランクインした企業の売上高合計が、08年度に比べて約2200億円減少しており、こちらも深刻だ。

 上場企業決算における「営業収益ランキング」でも同様の傾向が見て取れる。

 上場小売業決算2010ランキングの2009年度営業収益ランキングトップ100を見ると、対前期比の営業収益が減収となった企業が約半数、同経常利益が減益となった企業も約半数で、減収経常減益となった企業が3割にも上るなど厳しい状況の中で、百貨店と総合スーパーの不振ぶりはさらに際立つ。

 ランキングに登場している百貨店の経常利益を合計し、その推移をみると、年々減少幅が大きくなり、09年度はついに対前年比4割減の低水準に達した。同様に、総合スーパー各社の経常利益合計を08年度と09年度で比較すると、27.1%減となった。

 デフレによる低価格がぎりぎりの水準に陥り、総体的に高コスト体質になっている。当然、実態としては、多くの総合スーパーで経常損益に陥っていることを示しているのだ。

表2:営業収益ランキング

食品スーパー、CVSは一転して下降傾向

 百貨店、総合スーパーに比べると底堅さを示していた食品スーパー、CVSも元気がない。

 日本の小売1000社ランキングを見ると、ランクインした食品スーパーは331社、うち約半数が減収となっている。

 売上高1000億円以上の企業に限れば、30社中20社が増収を確保しているものの、これは新規出店を加速させることで懸命に売上を支えているという側面があり、かえって収益は悪化しているのが現状。

 上場小売決算2010ランキングを見ると、ランクインした食品スーパー40社中16社が経常減益となり、各社の経常利益を合計すると、前年より8.6%も少ない。首位のライフコーポレーションの経常利益が対前期比23.7%減、2位のヨークベニマルが同16.7%減となるなど、規模の大きい売上高1000億円企業の経常減益が大きく影を落としている。

 一方で、アークスや大黒天物産、スーパーバリュー、オーケー、サンディ、カネスエ商事などディスカウント色の強い企業は好調で、不況を背景に、“低価格=強さ”が顕著になっていることがうかがえる。

 タスポ効果で好調を示していたCVSも、一転、急速に業績が悪化した。上場小売決算2010ランキングを見ると、業態全体の売上高は対前期比1.4%増となったものの、これはローソンが前期に連結子会社化した九九プラスの数字が加算された一時的な効果に過ぎない。CVS各社の連結ベースは9社中7社までが減収で、経常利益も、業界首位のセブン-イレブン・ジャパンから始まって、ファミリーマート、サークルKサンクス、ローソンの上位陣がそろって減益となり、まさに総崩れの状態だった。(次ページへ続く)