


2011年1月25日更新
岩手県を本拠に40店舗を展開するジョイス(小苅米秀樹社長)は「食の提案型スーパーマーケット」の1号店「ジョイス三関店」を開業した。
なぜ、3つの事業を食品スーパー(SM)1本に絞り、「価値訴求型」の店舗開発をしたのか?
その勝算はどうか? 小苅米社長に聞いた。
聞き手=千田直哉(チェーンストアエイジ)
─2009年1月に社長に就任しました。この7月[*1]には就任から1年6カ月を経て、新フォーマット第1号店となる「ジョイス三関店」(岩手県一関市:以下、三関店)を開業。「食の提案型スーパーマーケット」を謳っています。
小苅米 「できたてやつくりたて」を基本に「鮮度と味」にこだわった新しいMD(マーチャンダイジング:商品政策)を数多く導入した店舗です。とくに多くのお客さまのライフスタイルにお応えするために、総菜とベーカリーコーナーを充実させ、時間帯別の品揃えも強化しています。
また、店舗のオール電化、高効率・省エネタイプの照明や設備を積極的に導入し環境に配慮したことも特徴で、今後のモデル店舗と位置づけています。
─就任早々、事業の再構築として食品スーパー(SM)専心路線を宣言して、フードディスカウントの「ロッキー」、ディスカウントストアの「スーパーセンター」事業を転換。また、衣料部門から撤退したり雑貨部門を縮小したり、「選択と集中」に力を入れています。この辺りの背景にはどんな考え方がありますか?
小苅米 衣食住商品を1カ所に集め、ワンストップショッピングの利便性と低価格で集客を図るという店舗モデルは、今後、難しくなるだろうと考えたからです。すでに物質的には十分に行き渡っている状況下で、お客さまのニーズは、十人十色になっています。その中で過去の店舗モデルで勝負に挑むのであれば、それぞれのカテゴリーが余程の専門性を持っていなければいけません。しかも衣料品や住居関連の分野には、専業のカテゴリーキラーがいます。
半面、食品の場合は元々われわれの生業ですし、“価格”だけではなく“品質”という競争要素がありますから、やり方によってはまだまだやりようもあり、さまざまなビジネスの可能性があると考えました。それでSM事業への専心と「価値訴求型」の商売をすることを表明したのです。
三関店の開業に当たって、あらためて米国を視察してきました。米国小売業はウォルマートの“独り勝ち”と言われて久しいですが、確かに市場占有率だけを見ればそれは正しいかもしれません。しかし、ウォルマートと隣接しながら、一歩も引いていないローカルチェーンが数多く存在することも事実です。そしてそのキーワードは「価値訴求型」だと考え、当社もそれを実践しようということを打ち出したわけです。
ただ「価値訴求型」という言葉は、少し理解しにくい部分もありましたので、「食の提案型スーパーマーケット」と言い換えるようにしています。(次ページへ続く)
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小苅米秀樹(こかりまい・ひでき) 1962年生まれ。 84年、法政大学経営学部卒業。 同年、すかいらーく入社。 88年、いちのへ(現ジョイス)入社。 2007年、常務取締役、経営計画室長。 09年、代表取締役兼社長執行役員就任。 現在に至る。 |
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