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店が変わる! 成功する手書きPOPの設計図

2010年11月18日更新

第4回 小売業だけではない!サービス業でも活躍する手書きPOP

 POPと聞くと、小売業の販促ツールだと考えている人が多いと思いますが、実はサービス業でも大活躍していることをご存知でしょうか?

 サービス業で? と思われる方もいらっしゃると思いますが、そこはPOP本来の役割に注目すれば、その理由がわかってきます。

 POPは「購買時点販促」と言われるように、お客様に買い物をする際「欲しい!」「面白いな!」などと思っていただけるよう、商品の魅力を説明するツールです。しかし、本来ならば商品説明は従業員の接客サービスで行うべきことのはずです。では、なぜPOPを設置するのでしょう。それは、接客だけでは十分な説明ができなかったり、来店する全てのお客様に接することが難しいためです。POPはそれを補填する役割を担っていると言えます。

 これは、サービス業でも同じことが言えます。例えば、美容室に行った際、ヘアカット以外にどのようなサービスがあっていくらでできるのか、「ヘアエステ」とは何か?どのような効果があるものなのか、美容室のシャンプーは市販のものと何が違うのか?など、お客様にとってはわからないことが多いのです。しかし、美容師さんがその全てを説明できているかと考えると、おそらくほとんどできていないでしょう。そればかりか、聞いているお客様にとっては「売り込まれている」感じになり、不愉快に思う人も多いと思いのではないでしょうか。

 このような時に活躍するのがPOPなのです。

 次の例は、実際に美容室で利用しているPOPです。

図1

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 この美容室ではお客様の髪の毛のために、そして、従業員の手の保護のために水にこだわっています。しかし、この点をお客様に伝えることは一切していません。せっかく価値の高い良いことをしていても、お客様に伝わっていなければ全く意味がありません。そこで、全てのセット面の傍にこのようなPOPを設置し、施術中にお客様に価値の高さを伝えているのです。もちろんお客様は喜ばれますし、このPOPをきっかけにお客様との会話がはずむこともしばしばです。

 次の例は、建築会社のオープンハウス時に、見学していただく家の中に設置したPOPです。見学に来るお客様の大半は、新築や建売を希望している方ですから、その家の造りに関して興味を持っています。とはいえ、始終営業マンについてまわられるのは嫌な方も多いでしょう。このような場合にもPOPが活躍します。

 ここで、楽しく見学していただくために最も気を使うべきことは、「機能の説明はほどほどにし、住んだときの情景が浮かぶようにする」という点です。機能の説明はもちろん必要ですが、専門的なことばかりを羅列したPOPでは、お客様は飽きてしまうのです。

図2

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図3

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図4

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図5

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 このような活用例を見ていただくと、POPとは小売店で商品を販売する際に使うもの・・・という概念はなくなるのではないでしょうか?POPとは、従業員の接客サービスや会社・店のこだわりなど、目に見えないものを目に見える形にする「見える化」のためのツールなのです。是非、サービス業の皆様もどんどん活用していただきたいと思います。

著者プロフィール

今野 良香(こんの りょうか)

船井総合研究所コンサルタント。成蹊大学経済学部卒業後、船井総合研究所に入社。食品製品小売業のコンサルティングに従事し、「手書きPOP」と「売り場づくり」による短期間・ローコスト・リニューアルで業績アップを実現してきた。POPおよび売り場づくりの研修も行う。著書に『誰でもすぐにつくれる!売れる「手書きPOP」のルール』など。


第1回 なぜ今手書きPOPが注目されるのか?POPの役割と重要性
第2回 売れるPOPと売れないPOP
第3回 モノではなく「人」と「コト」で魅せる、次世代型POPの成功例
第5回 自店の客層にあわせたPOP
第6回 POPノウハウの活用で書ける、当たる手書きチラシ
第7回 POPづくり・売場づくりを通じた従業員モチベーションUP法