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ベテラン中小企業診断士の目Viewpoints of Management Consultant Experts
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資金調達

補助金の使い方

申請時の注意点

 補助金の申請を行う前に、その補助金制度の目的、利用できる対象や条件などを確認することが必要です。たとえば、実用化開発がすでに終了しているにもかかわらず、実用化研究開発に関する補助金を申請することはできません。また、新連携対策事業「事業化・市場化支援事業」補助金など、事前に「異分野連携新事業分野開拓計画」の認定を受けていることが条件となる場合もあります。事前に利用条件等を十分に確認し、計画的に申請を進めることがポイントとなります。

 また、ある補助金(たとえば、新製品開発補助金)について、補助金所轄機関によって補助制限がある場合が一般的です。市区町村レベル、都道府県レベル、国レベルの3つの段階で、同種同様の補助金がある場合、3つのレベルの補助金を受けることに制約がある場合がほとんどです。すなわち、市区町村レベルの新製品開発補助金、都道府県レベルの新製品開発補助金、国レベルの新製品開発補助金等を、同時に、3つ交付されるケースは稀であるということです。一方では、ある申請機関において、特定の同一補助事業(補助金の交付対象となる事業)について、複数種類の補助金申請(いわゆる「併願」)を受け付けるところもあります。申請前に、確認しておくことが必要です。

 補助金の申請書類の中には、収支計画を内容とするものがあります。収支計画を作成する時に注意しなければならないことの1つに、償却資産の扱いがあります。税法に基づく法定の償却で計上することと、補助対象資産の償却を区別して把握することが必要です。申請書に記述する収支計画や会社独自に計画する収支計画、またはキャッシュ・フロー計画では、税務上の償却を根拠とすることでよろしいかと思います。しかし、補助金の交付が決定した場合、交付対象となった財産については、減価償却資産の耐用年数等に関する省令等を勘案して、経済産業大臣等が定める場合があります。将来的に資産をどのように処分するのか、その方法をも念頭に置いておくことも必要です。

 対象となる経費について、補助金の制度によって相違している場合があります。たとえば、ある補助金では、海外の渡航費が対象となっていますが、他の補助金では、対象とならないことがあります。補助対象経費について、事前に確認しておくことが求められます。  さらに、補助事業については、補助対象期間を考慮した計画設計が必要となります。自社の補助事業が、単年度内で終了するのか、あるいは複数年度にわたるのか、補助対象期間経過後、自社として、その事業をどのように位置づけるのか、将来構想を明確にしておくことが必要となります。

補助金は税金

 前回述べましたように、補助金の財源は「国民の税金」です。補助金を補助事業以外に使用することや、補助事業に関し、不正や不適切な行為をすることは、決してあってはならないことなのです。補助金の交付が決定したからといって、補助事業に必要のない余分な機械や器具類を購入すること、対象となる人件費等を水増しすることなど、これらは税の適切な運用に反する「反社会的行為」であるだけではなく、「犯罪行為」に該当するものなのです。交付決定後は、国民の税金が財源であることを十分理解し、適切に運用しなければなりません。

 補助対象経費によって取得した財産については、事業の完了後も善良なる管理者の注意をもって管理することが求められます。取得財産について管理台帳を作成し、適切に管理しなければなりません。また、取得財産については処分に制限があることが一般的です。処分する場合には、あらかじめ所定の書式により承認を受けることが必要となります。

補助金の使い方・使われ方

 ヤル気のある中小企業者が、広くイノベーションを進めていく。しかし、資金等経営資源に制約があるために、補助金制度を活用する。計画どおりイノベーションが成功し、会社の業績が向上、利益が創出される。企業は納税し、これがまた、他社のイノベーションを進めていく補助金としての財源を構成する。補助金はかくあるべきとして、これを使い、これが使われるものと思われます。補助事業を活用して、自社の業績が良好となった場合には、納税によって「還元」するという経営姿勢が必要です。(山北)

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