ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2008年7月1日更新
Q.126 鉛蓄電池はRoHS指令対象外と思いますが、鉛蓄電池のケースやこれに捺印されていますロゴマークインクなども含め電池自体が対象外と解釈してよろしいでしょうか。
この場合、廃電池指令での規制が優先しますか、それとも内部の電極の鉛のみで、そのほかの構成材料はRoHS指令対象でしょうか。

RoHS指令(2002/95/EC)の前文(9)において、「特に廃電池指令(DIRECTIVE 91/157/EEC)を侵害しないように適用される」との記載があります。

一方、廃電池指令(DIRECTIVE 91/157/EEC)は、2006年9月6日付けで改正(DIRECTIVE 2006/66/EC)されています。改正については、このサイトのコラムでも紹介されています。この改正廃電池指令(DIRECTIVE 2006/66/EC)*では、次のように規定されています。

第2条「範囲」の第1項において、「この指令は、形、量、重さ、材料組成または使用によらず、すべての電池(batterys)または蓄電池(accumulators)に適用される。ELV指令(DIRECTIVE 2000/53/EC)およびWEEE指令(DIRECTIVE 2002/96/EC)を侵害しないように適用される。」とあります。

また、第3条「定義」の第1項に「(1)電池(battery)または蓄電池(accumulator)は化学エネルギーの直接変換によって生じる電気エネルギーのいかなる源(ソース)をも意味するとともに、1つないしはそれ以上の電池セルからなる充電式でないもの、もしくは、1つないしそれ以上の2次電池セルからなる充電式のものからなる。」とあります。

そして、第4条に、「禁止事項」として次のように示されています。

1.Directive 2000/53/ECを侵害せず、EU各国は次の(a)および(b)の上市を禁止しなければならない。
  • 装置に入っているかどうかを問わず、重量で0.0005%を超える水銀が含まれているすべての電池(batterys)または蓄電池(accumulators)、そして
  • 装置に入っているものも含め、重量で0.002%を超えるカドニウムが含まれている、ポータブル電池(batterys)またはポータブル蓄電池(accumulators)。
2.上記(i)で述べられている禁止事項は、重量で2%以下の水銀を含むボタンセル(button cell)には適用されない。

3項以下は省略します。

ご質問では「鉛蓄電池はRoHS指令対象外と思います」とのことですが、RoHS指令では「廃電池指令を侵害しないように適用される」となっています。第 3条および第4条から、狭義に解すれば、電池セルについては第4条の禁止事項を遵守すればよく、電池セルでない鉛蓄電池のケースやこれに捺印されていますロゴマークインクなどはRoHS指令に従うと解することもできます。しかしながら、第21条の第1項は、附属書IIで記載されている分別回収を示すシンボルをすべての電池(batterys)、蓄電池(accumulators)または電池パック(battery packs)にマークすることを義務づけています。このことから、社団法人電池工業会では、WEEE指令、RoHS指令および電池指令で定義される「電池」を最終的に消費者に販売される形態であると解釈**しています。このことは、この「電池」自体が廃電池指令の対象となることを意味しています。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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