ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2008年7月1日更新
Q.94 RoHS指令の中には、具体的な分析方法については言及されておりません。何らかのガイドラインは別途定められていますでしょうか?

RoHS指令による各加盟国の法律では、細かな測定法は規制されないと思います。当局は、いかなる分析方法を用いても均質材料単位で最大許容濃度を超える物質を含有させてはならない、と解釈すると思います。

RoHS指令では「Member States shall ensure that, from 1 July 2006, new electrical and electronic equipment put on the market does not contain lead, mercury, cadmium, hexavalent chromium, polybrominated biphenyls (PBB) or polybrominated diphenyl ethers(PBDE)」とされており、測定値の最大許容濃度ではなく「not contain」となっています。

IEC/TC111/WG3で、測定法が検討されています。 2006年5月5日にCDV(IEC 62321)が発行され、10月6日に投票が締め切られました。投票結果は、否決されています。

否決の理由に、6価クロムとPBDEのラウンドロビンテスト(同じ試料を各試験所に配布して、一斉に試験して結果を持ち寄って比較する試験)は、 TC111国内委員会の報告資料ではIIS(International Interlaboratory Studyと記載されています)の結果のばらつきが大きい、手順が重い、6価クロムの抽出が完全でないなどがあると聞いています。2006年11月に北京で会議が開催されて対応が検討されています。 現在の見込みで、2007年末ごろに新提案が出る見込みで、正式発行は2008年になると見られています。

IEC 62321の電気・電子製品内の規制物質の含有量測定手続標準では、測定は蛍光X線分析装置でスクリーニングし、湿式分解法による精密測定に関する前処理を含めた手順書となっています。

実際の検査では、まず蛍光X線分析によるスクリーニングを行い、その結果、最大許容濃度以下かどうかが明確でない(グレーゾーン)場合は、湿式分解法で精密分析が行われることになります。

具体的には、IECの方法の場合、2段階で行われます。

第1段階として、スクリーニング分析法を適用します。不確かさ(誤差、ばらつき)が多少大きいが、試料を破壊しなくて分析できる蛍光X線分析装置で測定します。

第2段階として、スクリーニング分析方法で明らかに特定有害物質を含有していないことが確認できない場合は、試料の破壊分析となる精密分析を行います。

IEC 62321の付録にサンプリングに関するガイドが示されています。EUの規制当局の非公式ガイドラインが2006年5月に発行されています。http://www.dti.gov.uk/files/file30049.pdf

このガイドに実際的な管理の仕方が示されています。非公式ガイド(法的責任がない)ですが、現実としての順法確認、測定の基本が記載されています。参考になると思います。各加盟国のRoHS法を精査していないのですが、TACなどでの議論をみますと、測定方法はIECの方法は強制ではなく、生産者の選択に委ねられているようです。この場合、IECの測定法を採用しなかった理由は明確にしておく必要があるようです。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

関連リンク