ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2008年7月1日更新
Q.32 鉛にはどのような健康被害があるのでしょうか。

2000年6月に1998年に提案された法案が大幅に修正されて理事会・議会に再提案されました。そのときの日本でいう提案理由書に鉛のリスクについて、次のような記述がありました。

  • 鉛はヒトの中枢神経系と末梢神経系に損傷を与え、内分泌組織や造血器へも影響が観察されている。
  • 鉛は心血管系や腎臓に悪影響を及ぼす。
  • 鉛は環境中に蓄積し、植物、動物、微生物に高い急性と慢性の毒性影響を及ぼす。
  • 子どもの知能の発達などに悪影響があるとされている。

最近、鉛含有アクセサリーを飲み込んで死亡したとの報道もありましたが、鉛の急性毒性は低いものの慢性的と言われています。米国での研究論文で、「子どもたちへの知的障害の多くは10μg/dlより低いレベルの鉛血中濃度で起こることが分かった」と研究報告の主著者であるコーネル大学栄養科学部のリチャード・キャンフィールドは述べています。また併せて、鉛ばく露に起因する障害の程度は予想していたよりも大きかったとして「10μg/dlの鉛血中濃度をもつ子どもたちの知能指数(IQ)は1μg/dlの子どものたちより約7ポイント低いということが分かり、たいへん驚いた」とも述べています。

米国の環境保護庁(EPA)ではパンフレットなどで、鉛対応について周知させていますが、鉛の影響について次の表現があります。

鉛の影響:
 たとえ低濃度の鉛のばく露であっても子どもには深刻は損傷を与えることを認識しておくことが重要です。子どもには、鉛は次のような症状を引き起こします;

  • 神経系と腎臓障害
  • 学習障害、注意力欠如障害および知的障害
  • 発声、言語および行動の障害
  • 筋力低下
  • 筋肉・骨の発達障害
  • 聴力障害

子どもが高濃度の鉛にばく露された場合は、発作、意識不明、さらには、死亡のような、悲惨な影響を及ぼします。特に子どもは鉛の影響を受けやすいのですが、成人にとってもやはり危険です。成人には、鉛は次のような症状を引き起こします;

  • 妊婦の病気の症状悪化
  • 脳障害や死亡などの胎児への障害
  • 生殖障害(男性、女性ともに)
  • 高血圧
  • 消化障害
  • 神経障害
  • 記憶、集中力障害
  • 筋肉痛、関節痛。害

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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