ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2008年7月1日更新
Q.3 税関検査の検査装置はハンディタイプだと聞いたことがありますが、真偽のほどや、メーカーなどをご存知ですか。同じ装置で出荷検査をしたいと思っています。また、RoHS施行後摘発された企業などはありますか。

オランダ税関はハンディタイプを使っていると聞いたことがありますが、メーカーまでは承知しておりません。一部噂ですが、日本では使えませんが感度が高い「放射性同位元素」を使った蛍光X線分析装置とも聞いたことがあります。

一般的に、税関が製造者や輸入業者の許可を得ることなく製品を分解、破壊をして精密検査をすることはないと思います。非破壊検査が可能で、試料状態を選ばずに(前処理が不要)、多元素が同時に、早く解析できるという点で、ハンディタイプの蛍光X線分析装置が選択されることが多いと考えるのが妥当かと思います。また、小さい対象物には卓上タイプの蛍光X線分析装置が利用されることも考えられます。

また、税関でのスクリーニングにハンディタイプなどの蛍光X線分析装置を使ったとしても、精密分析ではIEC62321で処理方法まで明確にされている ICP発光分光法、フレームレス原子吸光法、還元気化原子吸光法など、対象物質に適した方法がとられると考えられます。日本における関税中央分析所のような機関での分析が検討されるのではないかと思います。

イギリスでは自主宣言方式を採用すると Government Guidance Notes (DTI)June 2006 33項に明記していますので、税関での検査は通常は行わないようです。また少し古い情報ですが、JETRO 欧州拡大研究会報告(WEEE編)によるとスペインやイタリアも自己宣言を受入れるようです。それらの国では、疑わしい物を市場で購入して検査をするということになるようです。その場合にも、スクリーニングの後に精密分析が行われると考えて良いと思います。

当局が市場からサンプリングし検査するのは、消費者からの情報、消費者団体からの情報、企業(コンペチタ)からの情報や業界情報などになると思われます。

他社が非含有にできないと表明しているのに、非含有として販売する場合など、技術データを残しておくことが肝要です。

製造業者・販売業者としては、EUの検査受入れ態勢に合わせた対応をとるということよりも、法の遵守を第1義に考えられるべきだと思います。EU側にどのような検査体制をとられても、設計段階から十分な対策を採っておけば抗弁が可能になります。規制に違反し摘発された場合のリスク(イメージダウン、罰金、回収・交換費用)を十分にご検討されることが肝要だと考えます。

また、RoHS施行後に摘発された企業は聞いておりません。施行直後であり、対象製品がマーケットで対応品に切り替わった後に摘発されることもあり得ると思います。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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