ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2008年7月1日更新
Q.2 RoHS指令に関するの受入れ検査体制はEU加盟国の間で統一された方法が決められているのでしょうか。また、その頻度、対象、分解の有無などはどのようになっていますか。

EU加盟国の間で統一した検査体制は決められておらず、加盟各国でばらばらな対応がとられているようです。また、その頻度などについても明らかにはされていません。一部の意見ですが、違反として摘発する場合の測定は、ISO/IEC17025試験所認定を受けた試験所でないと、法的根拠がないと主張しています。この場合の分析手順はIECの標準分析法として開発しているIEC62321を念頭においているようです。

現状の対応として、イギリスとドイツの例をあげます。

イギリスの場合は、RoHS REGURATIONS Government Guidance Notes (DTI) June 2006 33項によると、「適合体制に基づいた自己宣言(による輸入)を認めたうえで、当局は不適合製品の摘発のため市場調査を行い、テストを指揮する」としています。またその所轄と方法について、40、41項で「National Weights and Measures Laboratoryが検査対象商品を購入して実施をする」と明記しています。すなわち税関での検査は通常行わず、疑わしい物を市場で購入して検査をするということになります。

そのようなケースでも、コストなどを考慮すると、スクリーニングを行った後に精密分析が行われると考えられます。その精密分析では分解なども行われると考えるほうが自然です。ただし、その頻度や規模などについての言及はされていません。

また、ドイツの場合は税関で抜取り検査するとしていますが、その頻度・対象・方法などは明らかではありません。ただし、税関では生産者(輸入業者)の承認がないまま分解し検査することは通常はないと思いますので、ハンディタイプなどの蛍光X線分析装置でスクリーニングを行った後、疑わしいとされた製品を精密分析に回すという形だと考えられます。

精密分析については、日本の例では関税中央分析所が税関からの依頼で高度な分析機器を使って調査しています。ドイツなど各国でも同様の対応がされていると考えてよいと思います。

製造業者・販売業者としては、EUの検査受入れ態勢に合わせた対応をとるということよりも、法の遵守を第1義に考えるべきだと思います。EU側にどのような検査体制をとられても、設計段階から十分な対策を採っておけば抗弁が可能になります。規制に違反し摘発された場合のリスク(イメージダウン、罰金、回収・交換費用)を十分に検討されることが肝要だと考えます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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