ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2018年12月21日更新
Q.554 超音波探触子を生産しています。製品のセラミックの中に鉛を含んでいます。RoHS指令では鉛に関する適用除外用途の附属書III 7(c)―Iセラミックの化合物中に鉛を含む電気・電子部品で考えるのがいいのか、附属書IV14超音波変換器用の単結晶圧電材料に使用される鉛で考えるのがいいのか、どちらで考えたらよいでしょうか。

RoHS(II)指令(2011/65/EU)の附属書IIIにおける7(c)―I「コンデンサ中の誘電セラミック以外のガラスまたはセラミック中に鉛を含む電気・電子部品(圧電素子など)およびガラスまたはセラミックの化合物中に鉛を含む電気電子部品」は、2018年5月18日に官報公示1)され、以下のように有効期限が定められました。

  • カテゴリー1-7およびカテゴリー10(附属書III 34でカバーされる用途は除く)
    2021年7月21日まで
  • カテゴリー8、9(体外診断医療装置、産業用監視制御機器を除く)
    2021年7月21日まで
  • カテゴリー8の体外診断医療装置
    2023年7月21日まで
  • カテゴリー9の産業用監視制御機器およびカテゴリー11
    2024年7月21日まで

一方で、カテゴリー8、9のみを対象とした適用除外用途である附属書IVには14「超音波変換器の単結晶圧電材料に使用される鉛」があり、有効期限は上記附属書IIIの7(c)―Iにおけるカテゴリー8、9の期限と合致しています。

ご質問の超音波探触子は、電圧を加えると振動する圧電素子を用いて発生させた超音波を探知する機能をもち、医療における超音波検査機器ならびに構造物や素材の欠陥や老朽化を測定する産業用の超音波検査機器などに用いられます。圧電素子の材質は、主にチタン酸ジルコン酸鉛といった優れた圧電性と焦電性を有するセラミックが使用されています。

このような製品特性から判断すると、超音波探触子は附属書IIIの7(c)―Iに該当し、さらにカテゴリー8、9の製品で使用される場合には、附属書IVの14にも該当すると考えられます。

現時点においては、どちらの適用除外用途にも該当し、またどちらの適用除外用途の有効期限は同様であり、法規制上の違いはありません。したがって、貴社製品においては使用用途、販売先、製品特性などを踏まえ、附属書IIIの7(c)―Iならびに附属書IVの14の両適用除外用途を考慮する必要があると考えられます。

なお、こうした適用除外用途が重複している状態に対して、2016年6月に公表されている附属書III29種<7(c)―Iを含む>の適用除外用途における更新要請に関する最終報告書(パック9)の中では、以下のように説明されています。

  • 超音波変換器に使用される鉛は7(c)―Iの内容でカバーされている。
  • 除外の拡大と重複を避けるために、附属書IVは、カテゴリー8と9の電気・電子機器のみが要求される除外用途に限定されるべきであるが、高出力超音波変換器はこれに該当しない。
  • 附属書IIIの除外が超音波変換器に使用される鉛の使用を対象とする限り、附属書IVにこの除外を採用しないことを奨励する。

以上のように、報告書においては附属書IVの14は附属書IIIの7(c)―Iでカバーされており、今後附属書IIIに統一させていく方向性が示されています。このような方向性で規制が進むかどうかは確実ではありませんが、それぞれが整合性を保ちながら、用途の文言が整理されていくことが予想されます。今後の更新動向については、随時注視していくことが肝要です。

1)https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32018L0736

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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