ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
その他2018年10月26日更新
Q.550 カリフォルニア州法「プロポジション65」で、セーフハーバーレベルが設定されていない場合は、どのように対応すべきでしょうか。

「プロポジション65」は、カリフォルニアの州法で、発がん性や生殖毒性があると認められている化学物質について、飲料水の水源への混入や、作業者や消費者が曝露する可能性がある場合に、事前に警告することを義務付けるものです1)、2)、3)
 プロポジション65にはThe Proposition 65 List4)に収載された約1,000物質について、記載されているセーフハーバーレベル(ばく露によるリスクが十分に低いといえるばく露量)を超える場合は警告表示の義務があります。
 セーフハーバーレベルが設定されていない物質を使用している場合には、以下のアクションが考えられます。その際、ビジネスへの影響や、それにかかる時間とコストを考慮して判断する必要があります。

  • (i)警告表示を行う。
  • (ii)対象外の代替化学物質への変更を行う。
  • (iii)製品に含まれていても実際の使用状態で人体へのばく露がないことを証明する。
  • (iv)当該物質に対するセーフハーバーレベルを求め、ばく露量がそれ以下であることを証明する。

(i)について、警告の表示方法は詳細に定められており、化学物質や製品により異なります。
 例えば、消費者向け製品で発がん物質の場合には"Warning:This product can expose you to chemicals including [name of one or more chemicals], which is [are] known to the State of California to cause cancer."の表示とWarning Symbolを表示します。
 文末に示したサイト5)、6)に詳細に記載されていますので参考にしてください。また、2018年8月31日より施行された改正法では簡略化された警告表示(Short-Form)も認められるようになりました7)

警告表示は(ii)~(iv)のアクションにより不要となります。

ここで、セーフハーバーレベルの定義について簡単に解説します。発がん性物質に関しては生涯(70年)曝露量を考慮して有意なリスクのないレベル(NSRL=No Significant Risk Level)、生殖毒性については、最大無作用量(NOEL=No Observable Effect Leel)の1000分の1を最大許容レベル(MADL=Maximum Allowable Dose Level)として定義しています。
 NSRL、NOELについてはそれぞれについて詳細に定義されており、想定体重や動物実験からの換算方法、あるいは経口摂取の場合の算定基準の参照元などが示されています8)、9)。(iii)や(iv)のアクションに関する分析・調査は、たいへん複雑ですので、専門家(Licensed Professional)に依頼することが求められています。

1)ここが知りたいREACH規則 コラム「カリフォルニア州法プロポジション65の動向」2017年3月17日
2)ここが知りたいREACH規則 コラム「カリフォルニア州プロポジション65について」2018年7月27日
3)ここが知りたいREACH規則Q&A 2014年7月11日
4)対象化学物質リスト
5)Californa Code of regulations, Article6."Clear and Reasonable Warnings"Sub-article2"Safeharbor Methods and Contents"
6)Warning symbol
7)ここが知りたいREACH規則Q&A 2017年8月4日
8)Californa Code of regulations, Article7."No Significant Risk Levels"
9)Californa Code of regulations, Article8."No Observative Effect Levels"

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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