ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2018年7月27日更新
Q.544 RoHS(II)指令で今後検討されている物質と産業界の対応について教えてください。

RoHS(II)指令では第6条で、ほかの化学物質関連法令やREACH規則の認可対象物質や制限対象物質などを考慮しながら、欧州委員会に対して附属書IIの特定有害化学物質の見直しや修正の検討を定期的に実施するように定めています。
 RoHS(II)指令とREACH規則は調和された運用となっており、特定有害化学物質の追加もREACH規則の動向が影響を与えています
 特定有害化学物質の見直しについては、利害関係者に対して見直しの修正案に関するコンサルテーションを経て修正が決定されます。欧州委員会はOeko-instituteにコンサルテーションを委託しており、コンサルテーションの動向を把握していくことも今後のRoHS(II)指令対応につながっていくと考えられます。

RoHS(II)指令の改正に伴い規制対象の物質の検討が行われましたが、検討結果は2014年1月に最終報告書(Study for the Review of the List of Restricted Substances under RoHS2 - Final Report 2014-01)1)として発表されました。7項の「特定された物質の予備評価」に24種類の優先物質が掲載されています。この中から4種のフタル酸エステルが追加されることになりました。

4種類のフタル酸エステル類の追加に続いて、新たな制限対象物質に関する調査プロジェクト(パック15)が2017年12月末から開始され、2019年6月末に完了する予定となっています。パック15の対象物質は以下の7物質です。

  • 三酸化二アンチモン
  • 2,2'-ビス(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジブロモフェニル)プロパン(TBBP-A)
  • リン化インジウム
  • 中鎖塩素化パラフィン(MCCPs)
  • ベリリウムおよびその化合物
  • 硫酸ニッケル(II)およびスルファミン酸ニッケル
  • ジクロロコバルト(II)、硫酸コバルト(II)

パック15の最初のコンサルテーションは、電気・電子製品中の用途や使用量、廃棄時の排出可能性、代替可能性、含有制限による社会経済的影響などについて、2018年4月20日から2018年6月15日までの8週間開催されました2)。コンサルテーションの中で出された機密でない情報はOeko-instituteのWEBサイト3)の物質固有のページに掲載され閲覧可能です。協議終了後に、協議の中で出された機密でない情報はEU CIRCAのライブラリ4)にも掲載されます。
 例えば、三酸化二アンチモンについては、日本の電機関連団体からも意見が提出されています。「三酸化二アンチモンは、高難燃グレードが要求される場合に、難燃剤の補助剤として使用されており、ガラス、エナメル、機能性セラミックス、半導体の製造で利用されており、ガラスやセラミックスに非晶質状態で存在し、三酸化アンチモンはそのまま存在しません。また、適切な代替品もありません。」という意見です。

パック15の7物質については、2019年6月末まで検討が続く予定です。Oeko-instituteのWEBサイトに経過報告が掲載されますので、今後の動向を把握しておかれることをお勧めします。

1)http://www.umweltbundesamt.at/fileadmin/site/umweltthemen/abfall/ROHS/finalresults/0_RoHS_AnnexII_Final_Report.pdf
2)http://rohs.exemptions.oeko.info/index.php?id=127
3)http://rohs.exemptions.oeko.info/index.php?id=289
4)https://circabc.europa.eu/faces/jsp/extension/wai/navigation/container.jsp?FormPrincipal:_idcl=FormPrincipal:libraryContainerList:pager&page=0&FormPrincipal_SUBMIT=1&org.apache.myfaces.trinidad.faces.STATE=DUMMY

<参考>
厚生労働省
平成29年6月の特定化学物質障害予防規則・作業環境測定基準等の改正
(三酸化二アンチモンに係る規制の追加)

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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