ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2018年7月13日更新
Q.542 RoHS指令が改正され、2019年7月以降にフタル酸エステル4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)の電子電気機器への使用が制限されます。DEHP〈フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)CAS番号117-81-7〉と構造異性体のDnOP〈フタル酸ジ(n-オクチル)CAS番号117-84-0〉は使用可能でしょうか。

RoHS(II)指令では、2019年7月22日からは表にまとめました4種のフタル酸エステル、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP、CAS No 117-81-7)、フタル酸ブチルベンジル(BBP、CAS No 85-68-7)、フタル酸ジ(n-ブチル)(DBP、CAS No 84-74-2)、および、フタル酸ジイソブチル(DIBP、CAS No 84-69-5)について、それぞれ0.1重量%以上の含有を制限されます。

名称 DEHP BBP DBP DIBP
CAS No 117-81-7 85-68-7 84-74-2 84-69-5
分子式 C24H38O4 C19H20O4 C16H22O4 C16H22O4
沸点 386℃ 370℃ 340℃ 327℃
用途例 汎用可塑剤、電線被覆、壁紙、フィルム 加工用添加剤、接着剤、シーリング材 加工用添加剤、塗料、接着剤 爪塗料、塗料

ご質問のフタル酸ジ(n-オクチル)(DnOP、CAS No117-84-0)はDEHPと分子式は同じですが、アルコールのアルキル基の構造が異なります。前者(n-オクチル)は直鎖、後者は分岐した構造です。(両者の構造式については、2018年7月6日のコラム「フタル酸エステル類の混入について」を参照ください。)
 RoHS(II)では、構造を規定して規制していますので、DnOPは規制の対象でないことになります。

他方、DnOPはREACH規則付属書XVIIのエントリー#52で、子どもの口に入る可能性がある玩具や育児製品に下記の3種のフタル酸エステル類の一つとして、合計で0.1%以上含有させることが禁止されています。

REACH規則付属書XVII、エントリー#52の制限物質
物質名 CAS No
a.フタル酸ジイソノリル(DINP) 28553-12-0、68515-48-0
b.フタル酸ジイソデシル(DIDP) 26761-40-0、68515-49-1
c.フタル酸ジ(n-オクチル)(DnOP) 117-84-0

フタル酸エステル類の規制は、各国で行われていますのでその状況にもご注意ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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