ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2018年6月1日更新
Q.537 大型機械設備用のベアリングなどの金属部品で構成した機械系ユニット(電気は不使用)を製造しています。ユニットのケースに樹脂を使っていますが、RoHS(II)指令のフタル酸エステルの対応が必要でしょうか。

RoHS(II)指令(2011/65/EU)の「電気・電子機器」は、次のように定義されています。
 「電気・電子機器とは、正しく作動するために電流または電磁界に依存する機器であって、さらに交流1,000V、直流1,500Vを超えない定格電圧で使用するように設計され、そのような電流と電磁界を発生、伝導、測定するための機器を意味する」

また、対象となる電気・電子製品は、WEEE指令の附属書IAに定める11製品群(カテゴリー)に属する「電気・電子機器」です。
 以上のことから、製品がRoHS指令の適用対象となるかの判断基準のポイントは、次のように考えることができます。

  • 電圧がAC1,000V、DC1,500V以下であるか。
  • 附属書に表示された11製品群に該当するか。
  • 電気が製品の基本機能に必要であるか。

ご質問の製品が、電気・電子機器(EEE)の定義に該当しない場合はRoHS(II)指令に対応する法的義務はありません。しかし、貴社製品を川下ユーザーがRoHS(II)指令の対象になる電気・電子機器に構成部品として組み込む場合は、電気・電子機器の一部となるため、直接ではありませんが、サプライチェーンの川上メーカーとしてRoHS(II)指令の対応が必要となり、販売した製品中の特定有害化学物質の有無について、情報提供が必要となります。
 また、「産業用大型固定工具」(第2条4項d)と「大型固定据付装置」(第2条4項e)は適用除外とされていますが、RoHS(II)指令では「大型であること」の明確な定義はされていませんので、「工具」「装置」の適用除外を受けられるかを評価することは、製造業者、組立業者、ユーザーの責任となります。
 したがって、部品メーカーである貴社は、貴社製品を使用する川下のセットアップメーカーの判断を確認し、RoHS(II)指令対応の必要性を判断すべきであると考えます。
 また、従来のRoHS指令では「鉛青銅ベアリングとブシュの鉛」は適用除外とされていましたが、RoHS(II)指令では「暖房、換気、空調、冷却機用のコンプレッサーに含まれる冷媒用ベアリングシェルとブッシュの鉛」と用途が限定されましたので、その点についても順守状況を確認することをお勧めします。

他方、REACH規則においてもフタル酸エステル類のいくつかの物質がCandidate Listに認可対象候補物質として収載されており、情報伝達義務が発生する場合がありますので、対応の必要性をご確認ください。
 詳細は2017年10月6日付けのコラム「フタル酸エステルの規制状況」を参照ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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