ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
その他2018年1月26日更新
Q.525 RoHS(II)指令の附属書7(a)について教えてください。最高使用温度200℃の部品Aと100℃の低温度域の部品Bを組み合わせて仕様が100℃になるユニットの場合でも鉛含有率85%以上の高融点はんだの使用は適用除外される、と考えていいのでしょうか?

RoHS(II)指令は、「異なる材料に機械的に分離できない材料」である均質材料(homogeneous material)に対して適用されるものです。今回のご質問では、部品A、部品BがそれぞれRoHS(II)指令に合致しているか、を考えることになります。

RoHS(II)指令附属書III 7(a)では、「高融点はんだに含まれる鉛(鉛含有率が重量85%およびこれ以上の鉛合金)」は適用除外となっています。

7(a)は2016年7月21日に有効期限が設定されていましたが、2016年6月に公開されたPack9の調査報告書1)をもとに、現在、附属書III 7(a)の改正案2)が公表され、理事会、議会の承認待ちの状態です。

適用除外は、技術的、科学的に代替が不可なものが例外的に期限付きで認められたものです。適用除外は通常、用途が明確化されるのですが、7(a)は他の除外項目のように用途が明確化されていません。これは、鉛は、高融点、電気伝導率、熱伝導率、延性、耐食性、適切な酸化特性、濡れ性などの重要な特性をはんだに与える唯一の既知の要素であり、高融点はんだの鉛の代替または除去は、科学的または技術的に不可能で、多様性が高いと判断され、適用除外の用途範囲を狭めることができなかったためです。

このような背景で、用途が明確化されていなかった7(a)ですが、2016年6月に公表されたPack9の調査報告書では、ダイアタッチおよび電力変換器用途については、設計変更等による鉛フリー化の可能性があることに言及し、両用途のみ有効期限を短く設定することが提案されました。
 しかしながら、欧州委員会の改正案では、7(a)の適用除外の用途範囲を狭めることは困難であるとして、従来通りの「高融点はんだに含まれる鉛(鉛含有率が重量85%およびこれ以上の鉛合金)」で改正案が検討されている状況です。

このように7(a)で記載されている高融点はんだは、高温の耐久性が要求される場合に利用されるものですが、用途が限定されていないため、どのような用途であっても「鉛含有率が重量85%およびこれ以上の鉛合金である高融点はんだ」は適用除外に該当するものと考えます。
 ただし、適用除外は永久的なものではなく、代替の技術が近い将来に市場で入手可能である可能性もあるので、貴社の製品への高融点はんだの利用に関しても代替手段などについて検討されることをお勧めします。

なお、現在検討中の附属書III 7(a)の改正案で示された適用除外の有効期限は次の通りです。

2021年7月21日

  • カテゴリー1~7、10(附属書IIIの24項に該当する用途を除く)
  • カテゴリー8(体外診断用機器除く)、9(産業用監視制御機器除く)

2023年7月21日

  • カテゴリー8(体外診断用機器)

2024年7月21日

  • カテゴリー9(産業用監視制御機器)
  • カテゴリー11

1)http://rohs.exemptions.oeko.info/fileadmin/user_upload/RoHS_Pack_9/RoHS-Pack_9_Part_SOLDERS_06-2016.pdf
2)http://ec.europa.eu/growth/tools-databases/tbt/en/search/?tbtaction=search.detail&Country_ID=EU&num=512&dspLang=en&basdatedeb=&basdatefin=&
baspays=&basnotifnum=&basnotifnum2=&bastypepays=ANY&baskeywords=2011%2F65%2FEU

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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