ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2016年12月2日更新
Q.495 自社ブランドのRoHS指令非対応製品を販売代理店等がEU域内の輸入者を通じて上市した場合、誰が責任を負うことになるのでしょうか?

輸入者がEU域外のRoHS指令対象製品をEU域内に輸入する場合には、RoHS指令第9条において、RoHS指令対応製品、つまり製造者がCEマークを貼付した製品しか輸入することはできず、付随して、適合宣言書(DoC)の管理や当局の要請に応じて技術文書を提示できるように、製造者と連携する義務があります。そのため、原則として、CEマークが貼付されていない製品はEU域内で流通されません。
 また、製造者については、RoHS指令等に適用されている「新たな法的枠組(New Legislative Framework:NLF)」の解説文書である「EU製品規則の実施に関するブルーガイド1)」の「3.1 製造者」において、「製品を設計または製造し、自身の名前もしくは商標でEU 域内への上市を行う自然人または法人」と定義され、「製品が上市される際に、製造者の責任は製造者がEU域外または加盟国内に設立されていても同じである」と解説されています。これはEU域外の製造者であってもEU域内で製品を上市するためには、関連する義務を果たす責任を有していることを意味しています。
 このように、EU域外製品については、製造者と輸入者双方が各々の義務を履行した上で、EU関連指令に対応した製品を上市することが求められています

ご質問のケースでは、製造者はEU上市を意図していないため、RoHS指令にも非対応であり、CEマークも貼付されていないものと想定されますので、本来は上市が原則不可能です。しかしながら、税関ですべての製品について詳細を確認することは困難であるため、輸入者が意図的に違反を行う可能性はゼロとは言い切れません。CEマークが未貼付の製品が上市され、その後当局による市場調査等で違反が発見された場合には、まずは輸入者に対してDoCの提供等が求められ、その後流通経路をさかのぼって製造者としての説明や対応が求められることになるものと想定されます。なお、当局への説明内容によっては、RoHS指令第11条(製造者の義務を輸入者または流通者に適用する場合)のように、販売代理店や輸入者が製造者とみなされることも想定されます。

このように、EU域内に自社ブランドを付した不適合製品が上市されれば、製造者はその説明や対応が求められ、また、結果として自社ブランド製品のイメージが悪化する等の不利益を被る可能性はゼロとは言えません。
 製造者側で、顧客である販売先の行動をすべて管理することは困難であると想定されますが、自社製品の販売先に関する情報は管理しておくことは必要であると考えます。

1)http://ec.europa.eu/DocsRoom/documents/18027

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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