ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
その他2016年7月15日更新
Q.485 顧客から弊社が提供する製造設備について、RoHS指令に対する非含有証明書の提出依頼がありました。弊社製品を構成する部品のうち、弊社で製造している部品については非含有を確認していますが、電装部品など外部から購入する部品については未確認です。どのように対応すべきでしょうか?

RoHS指令では、第4条(予防)で「上市される電気電子機器(以下一部略)に附属書IIにリストされている物質を含まないことを確実にする」こと、第7条(製造者の義務)a項で「電気電子機器を上市する時には、電気電子機器が第4条の要求事項に従って設計・製造されることを確実にする」ことが定められています。製品が欧州に輸出されるRoHS対象製品ですと、貴社は製造者として最終製品にこの要求を満足する必要があります。すなわち貴社で製造されている部品だけではなく、外部からの購入部品についても非含有の確認をしてCEマークを貼付することが求められます。

あわせて第7条b項ではモジュールAによる技術文書の作成が定められており、第16条(適合性の推定)2項で「整合規格に従って評価された電気電子機器は、指令の要求事項に従っているとみなされる(概訳)」としています。つまり、RoHS指令の整合規格であるEN50581に従った評価が重要であるということができます。購入部品のすべてに対応する労力は大きなものになりますが、EN50581ではすべてを自社のみで行うことを定めているわけではなく、サプライヤーとの協力の下での適合性管理を求めています。企業防衛上必要な対策であるという認識と対応が必要だと考えます。

EN50581が要求する「品質(制限物質含有の可能性)と信頼性(サプライヤー)の評価」に活用できるものに「RoHS2技術文書要求に適合するためのBOMcheck 及びEN50581の使用ガイドブック:Guide to Using BOMcheck and EN50581 to Comply with RoHS2 Technical Documentation Requirements」(エンバイロン社:2015年版)があり、手順を以下の通りガイダンスしています。当ガイドブックはダウンロードが可能です。

(1)RoHS規制物質を含有する危険性のない部品のスクリーニング
(2)RoHS規制物質を含有する可能性が高い部品の特定とクラス分け(4段階)

L:Low probability
M:Medium probability
H:High probability
N/A:Not applicable
(3)サプライヤー評価(3段階、概訳)
TypeA:RoHSを非常に良く理解し、適合性確保のための包括的・効果的なシステムを持ち、サプライヤーへの選択的な分析要求をしている
TypeB:RoHSを良く理解し、適合性確保のためのシステムを持つが、サプライヤーへの選択的な分析要求はしていない
TypeC:RoHSを理解していない、または適合性確保のためのシステムを持っていない。サプライヤーからの宣言書を確認していない
(4)サプライヤーに求める文書の種類を決めるためのマトリックス作成
L&TypeA:サプライヤー宣言書または材料宣言書
L& TypeB・C、M&TypeA・B、H& TypeA:材料宣言書
M&TypeC、H&TypeB・C:材料宣言書と分析試験報告書

これらを参考に、リスク管理の観点からISO9001のマネジメントシステムに組み込むなど、継続的かつ記録に残る対応策の構築が必要です。

また平成25年度経済産業省事業(化学物質安全対策)で作成された「CEマーキング作成の手引き」(一般社団法人産業環境管理協会)、当サイトの2016年3月25日付コラム「今企業に求められること~順法システムの構築~」などもご参照ください。

一方、貴社製品が日本の工場で使用される設備であるなどRoHS対象製品でない場合には上記対応は必須ではありません。同様の対応ができるのが企業防衛上はベストなのですが、コストも検討する必要があります。「当然なされるべき努力(デューディリジェンス)をはたしている」と納得してもらえる対応が求められると考えます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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