ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2015年10月23日更新
Q.467 RoHS指令に追加された4種のフタル酸エステルについて適用除外用途はあるのでしょうか?

欧州委員会は、2015年6月4日にRoHS(II)指令の附属書IIの修正について、委員会委任指令〔Commission Delegated Directive(EU)2015/863〕を官報公示しました。今回追加されたのはフタル酸エステル類の4種類「Bis(2-ethylhexyl)phthalate(DEHP)」、「Butyl benzyl phthalate(BBP)」、「Dibutyl phthalate(DBP)」および「Diisobutyl phthalate(DIBP)」です。

フタル酸エステル類はプラスチックなどの可塑剤として使用されてきました。例えば、ケーブル被覆等の可とう性が求められる部位のプラスチックに用いられます。
 欧州委員会は、4種のフタル酸エステル類の制限対象物質への追加は2019年7月22日に適用することとしています。この2019年7月22日は原則的にすべての電気電子製品にRoHS指令の適用が開始される日です。

医療機器(カテゴリー8)、監視及び制御機器(カテゴリー9)については、他の電気電子製品と適用時期をずらし、2021年7月22日から適用することとしています。今後、制限対象物質の追加について、加盟国の国内法制化が義務化され、2016年12月31日までに実施される予定です。

今回追加対象となった4種のフタル酸エステル類は、いずれもREACH規則附属書XIVに収載された認可対象物質であり、2015年2月21日が日没日でした。個々の認可対象物質は、認可されない限り、日没日をもってEU域内では上市と使用が禁止されます。

しかし、少なくとも日没日の18ヵ月以前の日付までに適用除外の申請が行われている場合には、日没日以降も認可申請について決定が下されるまで継続して上市と使用が認められます。

今回追加となった4種のフタル酸エステル類のうち、BBPとDIBPについては認可申請が行われていませんが1)、DEHPとDBPについては複数の認可申請が提出されております。この2種については、申請者は決定が出るまでは継続して上市が可能です。

RoHS(II)指令による制限、あるいは附属書IIIおよびIVで定められる適用除外用途は、REACH規則の認可(附属書XIV)と制限(附属書XVII)と整合が取られます。
REACH規則とRoHS指令の関係についての詳細は2015年6月12日付けコラムをご参照ください。

REACH規則第56条2項により、川上企業が認可を受けて、その認可要件により川下ユーザーは使用することができます。
 ただ、RoHS指令の対象となる部品類はREACH規則では成形品になり、認可対象物質の成形品への組み込みが認可を受けないと禁止になります。

この禁止はEU域内での組み込みであり、REACH規則の第33条の情報伝達義務はありますが、EU域外の日本では禁止されません。
 しかし、EUに輸入される成形品に認可を受けない認可対象物質物質(附属書XIV)が大量になれば、REACH規則58条6項で制限物質として輸入規制されることもあり得ます。

このような状況ですが、4種のフタル酸エステルについて適用除外用途は現時点では告示されていません。RoHS指令の適用除外申請は、RoHS指令第5条により附属書Vで欧州委員会に行うことができます。

1)
http://echa.europa.eu/addressing-chemicals-of-concern/authorisation/applications-for-authorisation-previous-consultations

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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