ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2015年7月10日更新
Q.461 RoHS指令の適用除外項目「銅合金に含まれる4%以下の鉛」が2016年7月に適用除外期限を迎えますが、適用除外期限は延長されるのでしょうか?

RoHS2指令(2011/65/EU)では、電気電子機器への含有禁止6物質の適用除外用途が付属書IIIおよびIVに収載されています。付属書IIIは、付属書Iに示されている11カテゴリーすべてに対する適用除外用途を一覧にしたリストです。
 ご質問の適用除外項目「銅合金に含まれる4wt%以下の鉛」は、付属書IIIの番号6(c)に記載されています。

適用除外は「禁止物質の除去、代替が科学的・技術的に不可能である」「代替品の信頼性がない」「代替品に起因するマイナスの影響が便益を上回る」場合に認められています。このため、科学と技術の進歩に適合させて継続、廃止および新規追加等の見直しが行われることが第5条で規定されています。

適用除外用途については、有効期限が明示されている用途と明示されていない用途があります。有効期限が明示されていない用途については、旧RoHS指令から適用されたカテゴリー1-7および10について適用後最大5年(2016年7月21日)と定められています。

番号6(c)はこれに該当し、上記カテゴリーにおける適用除外は2016年7月21日まで認められています。他のカテゴリー8、9、11に対する含有禁止6物質の適用除外は、2021年7月21日まで、もしくはこれ以降まで有効であるために、まずは2016年7月22日以降に有効期限が切れるカテゴリーへの対策が急がれることになります。

適用除外見直しの申請は、除外有効期限日の18カ月前までにしなければならないと規定されています。番号6(c)の場合は、2015年1月21日までに適用除外見直しの申請をする必要があったことになります。

欧州委員会は、2016年7月21日に有効期限を迎える適用除外用途に関し、2014年10月21日から2015年1月21日までに受領した更新申請リストを公表しています1)
 この更新申請リスト中に6(c)も存在します。6(c)に対しては、EUと日本から7社が申請しています。これら7社の更新申請の内容を見ると、7社が「適用除外項目の文言は現状と同じ」で、6社が「有効期限を2021年7月21日まで5年延長」となっています。

除外項目6(c)は、今後は欧州委員会からの委託を受けたプロジェクトが更新申請の内容を調査し、最終的に文言の見直しや有効期限の見直し等が決定されることになります。
 欧州委員会から委託を受けたプロジェクトの動向に対する注視が必要となります。

6(c)に関する適用除外の状況は上述のようですが、延長申請が却下されて使用禁止となることもあり得ます。従いまして、使用禁止となった場合の対応策の準備は必須と思います。

「銅及び銅合金の棒」に関する日本工業規格JIS H3250:2012には快削黄銅棒の規格C3601~C3604があります。この規格の棒には、鉛を1.8~3.7wt%添加して切削性を向上させています。このJISには、C3601~C3604の代替品としてのC6801~C6804の規格が載っています。

C6801~C6804はビスマス系鉛レス・カドミニウムレス快削黄銅棒と呼ばれるもので、鉛0.01~0.1wt%以下、カドミウム0.0075wt%以下で銅を主成分とした亜鉛との合金にビスマス(0.5~4.0wt%)を添加して快削性を改良した銅合金棒です。
 他にけい素系鉛レス・カドミニウムレス快削黄銅棒としてC6932があります。ご参考にしてください。

1)http://j-net21.smrj.go.jp/well/rohs/column/150410.html

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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