ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2015年5月8日更新
Q.457 繊維強化プラスチックの成形品に対してRoHS指令の禁止物質を分析する場合、均質材料についてはどう判断すればいいのでしょうか?

繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics、FRP)は、ガラス繊維や炭素繊維に対してエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック母材(添加剤、硬化剤などを含む)を浸透させ硬化したものです。
 また、硬化後に成形型より剥離しやすくするための離型剤が表面についている場合もあります。繊維成分と樹脂成分は強固に硬化しているため一体化しており機械的には分離不可能なため、リサイクルが難しい素材でもあります。

欧州委員会から発表されるFAQでは、均質材料について次のように説明されています。
 均質材料は機械的に分離できない材料とし、さらに「組成全体が均一な材料」で、例として、プラスチック、セラミックス、ガラス、金属、合金、紙、樹脂、コーティングなどとしています。具体的には3つの例が示されています。

  • 異種材料でコーティングや接着されていない1種類だけの材料からなるプラスチックカバー。最大許容濃度はこのプラスチックに適用される。
  • 電気ケーブルは力学的プロセスにより絶縁体と金属などの異種材料に分離されるので、電気ケーブルは均質材料ではない。最大許容濃度は、それぞれの分離された材料に適用される。
  • 半導体パッケージは、プラスチック成形材料、リードフレームのスズのコーティング、リードフレーム合金、および金ボンディングワイヤーなどの多くの均質材料が含まれる。最大許容濃度はそれぞれに適用される。

以上より、ご質問のFRP自体は均一物質として取り扱うことが妥当と思われます。
 しかし、FRP自体では繊維が表面にむき出しでザラザラの状態ですので、製品にする場合にはその表面にゲルコートという樹脂素材で保護するのが一般的です。また、FRP表面に塗装したり金属酸化物などを真空蒸着する場合もあります。
 FRP表面に施されたゲルコート樹脂や塗装層はFRPから剥離することもあることから、別の均質素材として取り扱う必要があると考えます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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