ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2014年11月7日更新
Q.438 弊社(EU域外の製造業者)はRoHS対象製品を現地法人(EU域内の輸入業者)に輸出していますが、RoHS指令の「上市」はどの時点を意味するのでしょうか?

上市(placing on the market)は、RoHS指令の第3条で次のように定義されています。

  • (12)「上市」とは、電気電子機器を共同体市場で初めて利用可能にすることを意味する。
  • (11)「利用可能にすること」とは、有償・無償を問わず、商業活動の過程で流通や消費、使用を目的として共同体市場に電気電子機器を供給することを意味する。

また、新版のブルーガイド(The 'Blue Guide' on the implementation of EU product rules 2014)では「上市」について次のように記載されています。

「製造業者または輸入業者が、流通業者あるいは最終使用者(end-user)に最初に製品を供給した場合に法的に「上市」と称され、」(以下、省略)

上市については、旧版の「ブルーガイド」(Guide to the implementation of directives based on the New Approach and the Global Approach)では、「製品の移送は、製造者または製造者のEU域内の認定代理人から、EU域内輸入業者またはEU市場に流通させる者の間で行われ、(以下、省略)」とされていましたが、上述のとおり表現が変更されています。

RoHS指令の第9条(b)では、輸入業者の義務としてEEEを上市する前に製造業者による適切な適合性評価の実施や技術文書の作成、CEマークの貼付などを確実にすることが求められています。また、第18条の加盟国による市場監視において、引用されている規則(EC)No 765/2008では第27条において輸入製品の管理が定められており、通関当局がCEマークや各種指令が要求する文書類の添付状況などを確認することになっています。

つまり、日本から製品が現地法人に輸出される場合、現地で通関時の適合性確認と現地法人から出荷された段階(最終使用の意図)の適合性が確認されます。

RoHS指令の上市は現地法人から出荷(流通業者への引き渡し)に該当し、その時点から技術文書の保管期限である「10年」が開始されることになります。

このように通関と上市の時点は異なる場合もあり、法規制が変更される時点(例:2014年7月22日から医療機器等にRoHS指令が適用)においては変更前に通関し、輸入業者が保管し、変更後に上市する可能性がある製品に注意が必要です。
 EU域外の製造業者としては、EU域内の輸入業者内の在庫等も考慮したうえで対応時期を検討することが必要であると考えます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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