ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2014年1月24日更新
Q.408 RoHS(II)の制限物質についてはREACH規則との整合が図られるようですが、ELV指令とはどのように整合されるのでしょうか?

ELV指令、RoHS(II)、REACH規則や他の規則、指令との整合性について整理してみます。

(1)制限物質
 RoHS(II)では、同指令4条に規定され附属書IIに掲載された6物質〔鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニール)、PBDE(ポリ臭化ジフェニールエステル〕が対象です。 ELV指令では、同指令4条に規定の金属の4物質(鉛、水銀、マドミウム、六価クロム)です。ELV指令の附属書IIでは、現在まだ代替品がない特定の用途については適用除外も認められています。

(2) 危険物質およびその混合物、
 ELV指令では当初、第2条11項でDIRECTIVE67/548/EEE(危険物質の分類、包装、および表示に関する加盟国の法律、規則、および行政規定の摺合せに係わる理事会指令)の下で危険と考えられる物質で、同指令の付属書Iに掲載されているものと定義していました。また、同指令の第4条1(a)では、EU加盟国は廃棄物の予防促進のため、自動車の製造者が自動車での危険物の使用制限および削減を促進すべきであるとしています。
 危険物質および混合物質の定義は、Regulation on Classification, Labelling and Packaging of subsutance and mixtures(CLIP規則)の定義に改正されました。上述のEU議会・理事会指令第4条11では、ELVの定義をCLIP規則の付属書掲載の危険クラスまたはカテゴリ―の基準を満たす物質としています。

 

(3)成形品の義務
 REACH規則の附属書XIV(認可対象となる物質リスト)、附属書XVIIおよびCandidate List収載物質は、自動車の部品でもそれらに該当するものは規制の対象となります。特に成形品では、同規則第7条(成形品に含まれる物質の登録および届出)および第33条(成形品に含まれる情報伝達の義務)の適用対象となります。

(4)ELV指令の目的
 安全を優先にして、自動車からの廃棄物発生の予防、廃自動車およびその部品の再利用やリサイクルによる廃棄の削減です。この目的のため、廃棄物の予防のために危険物質の削減が求められています。
 REACH規則は販売時の義務ですが、ELV指令は使用時や廃棄時についても義務があります。それぞれ義務の範囲が違います。
 従って、ELV指令がREACH規則に統合されることはないと思われます。しかし、CLP規則による有害性分類結果から、自動車のライフサイクル全般でのリスクを評価して規制物質が追加されることはあります。

(5)REACH規則の認可
 REACH規則附属書XIV(認可対象物質)は、自動車でも認可を受けなくては使用できません。2013年12月にリスク評価委員会(RAC)および社会経済評価委員会(SEAC)が12月の会議で、ロールスロイス社が提出していたフタル酸ビス〔2-エチルヘキシル、Bis (2-ethylhexyl) phthalate:DEHP、CAS番号117-81-7〕の認可申請に対する意見案に合意しました。1号認定はロールスロイス社の航空機エンジン用のDEHPになる見込みがあります。 認可物質は自動車にも適用されます。

以上のように、ELV指令、REACH規則、CLP規則やRoHS指令などは調和されています。

なお自動車業界では、2008年にAIG(REACHに関する自動車業界ガイドライン)を自動車部品工業会が和訳・公表し、業界としてREACH規則の遵守に取り組んでいます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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