ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2013年1月17日更新
Q.407 サプライヤーから供給される資材の製造工程で規制物質が使用されていますが、これは意図的添加物もしくは不純物のどちらと判断すべきでしょうか?

REACH規則第3条1項では、「物質とは、化学元素および自然の状態での、またはあらゆる製造プロセスから得られる化学元素の化合物を言い、安定性を保つために必要な添加物や使用するプロセスから生じるあらゆる不純物が含まれる。しかし、物質の安定性に影響を及ぼさないで、またはその組成を変えずに分離することができるあらゆる溶剤を除く」と定義されています。この定義によれば、物質中の触媒は意図的に使用されていても不純物と考えることができます。従い、この物質を使用した製品に含まれる触媒残渣はその製品中の不純物と考えることが出来ます。

ご質問の「意図的添加」とは、除外項目に関する指令2000/53/EC(ELV指令)附属書IIを修正した委員会決定2002/525/EC(2002年6月公布)で使われていた言葉で、「意図的添加でない場合は、均質物質中の最大許容濃度は鉛、六価クロム及び水銀は0.1重量%、カドミウムは0.01重量%」と規定し「意図的添加」を「最終製品に特定の特徴、外観もしくは質を提供するために、継続的な存在が要求される材料や部品が組織として計画的に利用されたことを意味する」とされていました。

その後、2005年9月30日に公布された理事会決定2005/673/EC(ELV指令の修正)で「意図的添加」の用語がなくなっており、意図的、非意図的を問わず規制されることになりました。

RoHS指令においても、当初、指令2002/95/ECにおいては明確な規定はありませんでしたが、同指令を改定する委員会決定2005/618/ECにおいて、「意図的添加」に関係なく有害化学物質の最高許容濃度に関して規定されています。

物質を製造する工程で使用した触媒残渣やリサイクル材料などからの不純物としての混入が原因であっても、規制物質は規定値以下にする必要があります。また、一部企業の調達基準においては、さらに厳しい基準値を設定しているケースもありますので、取引先の調達基準の確認が必要となります。

従い、ご質問の製造工程中で使用された規制物質が残存している場合には、RoHS指令やREACH規則の対象になると考える必要があります。

RoHS指令規制の化合物などがREACH規則の認可対象候補物質(SVHC)としてcandidate listsに収載されているケースが多くあります。もし貴社製品が成形品であり、SVHCを含有する場合には以下の対応が必要となります。

1.成形品が以下の条件を満たす場合、届出が必要となります。
 (1)SVHCが成形品中に、重量比0.1%を超える濃度で存在する
 (2)SVHCが成形品中に、年間に1製造者または輸入者あたり1tを超える量で存在する。
 (3)成形品におけるその用途が登録されていない

2.また届出義務の有無に関わらず、「高懸念物質(SVHC)が成形品中に、重量比0.1%を超える濃度で存在する」場合には、情報伝達義務が必要となります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

関連リンク