ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2013年7月5日更新
Q.381 弊社はこれまでEUへの輸出製品にはCEマークを貼付しています。これらの技術文書とRoHSの技術文書にはどのような違いがあるでしょうか?

CEマーキング制度における技術文書の位置づけは、CEマークの貼付や適合宣言書の内容を裏付ける根拠資料であり、該当する指令の必須要求事項への適合を示す文書類となります。
 ご質問では、すでにCEマークを貼付した製品をEUに輸出されているとのことですので、EMC指令や低電圧指令など電気製品に関連するニューアプローチ指令に対応されているものと推測されます。
 最近改正された玩具指令やRoHS指令では、従来のニューアプローチ指令を強化する目的で2010年1月に施行された新たな法的枠組み(NLF 768/2008/EC)に対応することが求められています。
 EMC指令や低電圧指令などの既存の関連指令はNLFに対応の義務はなく、今後の改正時に順次対応する予定となっています。
 このようにEMC指令や低電圧指令とRoHS指令では、CEマーキング制度の根幹である枠組が現時点では異なっているため、適合宣言書(DoC)の記載内容や適合宣言書の内容を裏付ける技術文書の内容も異なっているのが現状です。
 また、当然ながら各指令が求める必須要求事項も電気安全や電磁波による機能障害保護、特定化学物質の含有制限など指令の目的に応じて異なっているため、各指令の必須要求事項に応じた技術文書を整備することが必要となります。 このような背景から、これまで作成されてきた各指令に対応した技術文書類とは別にRoHS指令が要求する技術文書類を整備することが必要となります。
 技術文書のなかで、製品の概要、構成部品、小組立品、回路などの概念設計、製造図および図解、製品の製造図、製造図および運用を理解するために必要とする説明および解釈などは共通する部分も多々あります。
 RoHS指令の必須要求事項は特定有害物質の非含有で、構成部品や材料が重要になり、他の指令と異なった対応が要求されます。
 RoHS指令の場合、EN50581「有害物質規制における電気電子製品の評価に関する技術文書」が整合規格として位置づけられており、本規格によって、製造者が該当する物質制限の順守を宣言するために整備する必要がある技術文書が定められています。
 EN50581では、最低限整備する必要がある技術文書の項目として、次の4項目をあげています。

  • (1)製品の全般的な説明
  • (2)材料、部品、及び/または半組立品に関する文書<
  • (3)技術文書と符合する製品中の材料、部品及び/または半組立品の間の関係を現す情報
  • (4)技術文書を確立するために使われた、またはそのような文書が参照する整合規格のリスト及び/または他の技術仕様

中でも「(2)材料、部品、及び/または半組立品に関する文書」については、「必要な情報の決定」や「情報の収集」など実施すべきプロセスが明記されており、このプロセスにしたがって技術文書を整備することが必要となります。
 また、EN50581では何を技術文書とするかの具体的な指定があるわけではなく、あくまで製造者自身が必要な情報の決定や評価を行うよう求めています。そのため、製造者自身がサプライヤの管理能力や、材料や部品への制限物質の含有可能性をについてリスク評価を行い、リスクに応じて必要な情報(サプライヤの証明書や契約書、含有情報、分析試験結果)を決定し、それらを収集・評価した結果、品質や信頼性がある場合に初めて技術文書として利用できる情報であると判断されることになります。
 このように、EN50581が求める技術文書は、製造者によって、また対象製品によって異なってくることになり、どのように技術文書を整備するかを自社で決定することが必要となります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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