ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2013年5月10日更新
Q.372 第9次のSVHC候補物質でカドミウムが発表されました。REACH規則でのSVHCの閾値は0.1%ですが、RoHS指令やELV指令を考えた場合、カドミウムについて顧客にどのような情報を提供すべきでしょうか?

欧州化学品庁(ECHA)は、3月4日付でREACH規則の認可対象候補物質(SHVC)として新たに10物質の提案に対するコンサルテーションを開始しました。意見募集は4月18日まで行われ、その後検討され6-7月頃には第9次のSVHCとして公表される見込みです。CMR物質と同等の健康影響が懸念される物質としてカドミウムと酸化カドミウムの2物質が提案されています。

カドミウムを制限物質として規定しているものには、すでにRoHS指令、ELV指令、包装材指令などがあります。それぞれのカドミウムの閾値は次のようにREACH規則とは異なっています。

  • RoHS指令:均質材料あたり重量比0.01%
  • ELV指令:均質材料あたり重量比0.01%
  • 包装材指令:包装材あたり、(カドミウム、鉛、水銀、6価クロム)の重金属の合計が重量比0.01%

REACH規則のSVHCの閾値は成形品あたり重量比0.1%ですが、REACH規則以外の適用される法令により閾値が異なります。また、RoHS指令には用途除外があり、用途除外されたカドミウムを成形品に0.1%以上含有する場合にはREACH規則(SVHC)が適用されるので注意が必要です。

日本ではサプライヤー間の情報伝達の共通化を図るために、JAMPにより業界横断の共通調査ツールでの情報交換、情報基盤の構築が図られ広く利用されています。具体的には、主に原材料(化学物質、混合物)の化学物質調査には「MSDS」、「MSDS plus」、部品(成形品)には「AIS」の支援ツールを使用して伝達します。最終製品については「AIS」の情報をもとに最終製品に含有する化学物質の含有情報(例えばIMDS、JGPSSIなど)を確認します。

JAMPではサプライチェーン全体が合意できると思われる国内外の関係法規に限定した物質を管理対象物質として扱います。報告を必須とする法規には、化審法、安衛法、毒劇法、RoHS指令、ELV指令、REACH規則(SVHC)などがあり、各法令の対象物質がリストされています。 カドミウムはすでに管理対象物質として収載済みですが、SVHCに決定された場合には新たにSVHCリストに追加されます。

JAMPでの管理対象物質の報告の閾値の基準は下記のとおりです。

  • 意図的な添加の場合は、法規等の基準に関係なく添加した濃度を報告
  • 何らかの方法で含有を知り得た場合はその値を報告
  • 意図的添加以外の成分については善意を持って自主的にその値を報告
  • 法規制により報告が義務付けられている場合は報告
  • 不明成分は報告対象外

したがって、含有率は法規制の閾値に関わらず、把握している情報を記載し報告します。

以上の通り、広く利用されているJAMPによる情報伝達がよいのではないか思われます。原材料メーカーの場合は、「MSDS」「MSDS plus」を作成し、川下企業に伝達することになります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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