ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2012年7月20日更新
Q.330 ナノ物質はこれからRoHS指令、WEEE指令、ELV指令、シップリサイクル規則などで対象になるのでしょうか?また、RoHS指令の対象になった場合、これらの指令、規則と連動するのでしょうか?

最初の質問に対する回答ですが、ナノ物質は近い将来RoHS指令の規制対象になる可能性が大きいと思われます。その根拠は次の2つです。

第1に、欧州議会のプレリリース(2010年7月4日)によると2010年6月2日に欧州議会の環境委員会で第1読会の環境委員会の改正RoHS指令案が賛成55、反対2、棄権1で可決されたことです。

その修正案の5条a(ナノ物質)で欧州議会議員に対してナノ銀と長い多層のCNT(Carbon nano tubu)の禁止を要求し、またナノマテリアルを含む電気電子材料はラベリングされるべきだとしており、また、製造業者は欧州員会に安全性データを提供すべきであるとしていることです。

その後、改正RoHS指令案は2011年11月24日にEU議会本会議で採決されました。理事会とのネゴシエイションの結果としていくつかの妥協がされており、特定有害物質してのナノシルバーとカーボンナノチューブ、そして附属III(禁止候補物質)が削除される等、環境委員会で採択された環境委員会案とはかなり違ったものになりました。しかし、議会環境委員会のナノ物質を規制の対象とする修正意見は改正RohS指令に残りました。

第2の根拠ですが、改正RoHS指令の第6条「Review and amendmennt of list Restricted SubstancesIn ANNEX II」(制限物質の見直しと修正)と前文16に議会環境委員会の修正意見附属書IIの見直しで、ナノ物質を修正の対象とすると明記される形で残ったことです。

附属書IIの見直しと修正はREACH規則の附属書(認可物質)および(制限物質)を考慮するとしています。また、EU委員会は附属書IIの見直しと修正では小さいサイズ、内部または表面構造を含む物質または類似物質グループについて特別の考慮をするとしています。

前文16(ナノ物質)ではナノマテリアルは他の制限物質と同様に科学的根拠や予防原則により消費者保護の観点で代替品を調査すべきであり、特定の有害物質(附属書II)のレビュー、修正は論理的であるべきであり、REACH規則との補完、相乗効果を上げるべきであるとしています。

2つめの質問に対する回答ですが、ナノ物質が規制の対象になった場合は当然のことながらWEEE指令だけではなく、REACH規則や関連指令に連動すると考えたほうが良いと思います。WEEE指令やREACH規則は改正RoHS指令の第2条(範囲)3項で「この指令は、特定の欧州廃棄物管理規則の要求と同様に、EUの安全と健康、および、化学物質に関する共同体の法令、特に、REACH規則の要求を損なうことなく適用されるべきである」としているところから判断しても規制対象とする場合も同一歩調をとる可能性が大きいと思われます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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