ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2012年7月6日更新
Q.328 電気透析装置の輸出を計画しています。電気透析装置は、EUや中国のRoHS規制の適用を受けるでしょうか?

電気透析装置は、イオン交換膜を使用し、加熱・加圧しない分離法のため成分の変質が生じにくく、非イオン性物質とイオン性物質を分離できるなどの特長をもつ装置で、水処理分野、食品・医療分野、工業分野などの多方面で実用化されています。イオン交換膜と電気(直流電圧)の働きで溶液中のイオン性物質を分離し、脱塩、濃縮、精製、回収を短時間で処理できます。電気透析装置には、飲料水製造、医薬品製造プロセスなどで使用される「大型電気透析装置」、研究、少量分析などで使用される「卓上型」などがあります。

1.EU RoHS指令の適用

改正RoHS指令(以下、RoHS(II)は附属書Iに記載されている以下の11のカテゴリーに該当する定格電圧が交流1000V以下、直流1500V以下の電子電気機器(以下、EEE)に適用されます。(第2条)

  1. 大型家庭用電気製品
  2. 小型家庭用電気製品
  3. 情報および通信装置
  4. 消費者用装置
  5. 照明装置
  6. 電気電子工具
  7. 玩具、レジャーおよびスポーツ装置
  8. 医療機器
  9. 監視および制御機器(産業用の監視および制御機器を含む)
  10. 自動販売機
  11. 上記カテゴリーに含まれないその他のEEE

改正前のRoHS指令においては適用が除外されていたカテゴリー8、9に加え新たにカテゴリー11が追加されました。ただし、軍事用、宇宙用機器、大型産業用固定工具、大型固定機器や能動型埋込医用機器などが除外されます。

電気透析装置は、電気に依存するのでEEEに該当し、新たに加えられたカテゴリー11に該当すると考えられます。ただし、飲料水製造、医薬品製造プロセスなどで使用される「大型電気透析装置」は、大型固定機器に該当し適用除外となるのではないかと考えられます。

2.中国RoHSの適用

現行中国RoHSは2段階で施行されます。第1段階は部品、材料から製品までサプライチェーンすべての段階を対象にして、特定化学物質含有の有無を表示する義務があります。第2段階は重点管理目録に収載された製品は、特定化学物質を非含有とし、3Cマークの貼付の義務が課されます。
 現時点での中国RoHSは第1ステップで運用中で、第2段階は施行されていません。
 中国RoHSの適用製品は、第3条(1)に下記の10製品群とその付随製品が決められています。

 電子レーダー製品
 電子通信製品
 ラジオ・テレビ
 コンピュータ
 家庭用電子製品
 電子計測機器
 電子専用製品
 電子ユニット・部品
 電子応用製品
 電子材料

具体的には分類注釈〔電子情報製品分類注釈(日本語訳:JEITA環境委員会メンバーによる仮訳)〕に収載された品目が対象で、収載されない品目は対象ではありませんが、電気透析装置は収載されていません。
 一方、中国RoHSは改正作業の途上にあります。現行中国RoHSの第2段階の施行は延び延びになっていますが、2010年7月に改正案の発表、2011年8月には自主認証実施規則の公示および各支援標準が国家標準となるなど含有制限実施に向けて着々と進んでいます。
 改正中国RoHS案では、適用範囲を電子情報製品からEEEへ拡大させ「直流電圧1500V、交流電圧1000V以下で作動する設備と付随製品を指す」となっており、EU RoHS指令に似たものになっています。

以上の通り、現行中国RoHSでは、電気透析装置は適用の対象外となっていますが、改正案では対象となる可能性があります。

【参考】

2011年7月8日付けコラム
2011年7月15日付けコラム

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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