ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2012年3月30日更新
Q.314 GADSガイダンスの「4.3.1」にあります、下記の申告すべき閾値の計算法について教えて下さい。
Example: A substance contains 25 % of a metal, then the metal containing substance only has to be declared above a content of 0,4 %.

自動車関連のグローバルな化学物質規制に対応するため、日米欧の自動車・自動車部品、化学メーカーで構成するGlobal Automotive Stakeholders Group(GASG)により、業界共通の管理化学物質のリストGLOBAL AUTOMOTIVE DECLARABLE SUBSTANCE LIST(GADSL)が2005年に作成され、各国の規制対象物質をベースに更新されています(2012年2月1日版 141物質群、2,790化合物)1)。サプライヤーには、GADSLの中から申告物質が指定されています。

GADSL Guidance Document2)の4.3項には申告の基本ルールを解説しています。ご質問の4.3.1項は、申告しなければならない物質の含有率の算出について解説しています。

ご質問の文節の前には下記の文節があります(回答者意訳)。

「物質が金属を含み、その金属が申告しなければならない場合、0.1%の閾値がその金属含有率に適用される。(If a substance contains a metal and the metal is declarable, the 0.1 weight%-threshold applies for the metal content.)」

これの具体的な例として、ご質問の文節が記載されています(回答者太字部補足して訳す)。

「例:物質が金属を25%含むとすると、この金属を含む物質が物体(均質材料)中に0.4%以上含む場合に、申告しなければならない。(Example: A substance contains 25 % of a metal, then the metal containing substance only has to be declared above a content of 0.4 %.)」

この例の、物体中(均質材料)の物質の含有率が0.4%であるとしますと、金属成分の物体(均質材料)中の含有率を計算しますと下記の通りになります。

物体中の金属の含有率=物体(均質材料)中の物質の含有率×物質中の金属の含有率=0.004×0.25=0.001=0.1%

すなわち、物体(均質材料)中の物質が0.4%以上になりますと、物体(均質材料)中の申告すべき金属の含有率は0.1%以上となりますので、申告しなければならないことになります。

ELV指令やRoHS指令では、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム等については、それを含有する化合物として規制されるのではなく、金属元素成分の含有率として規制されています。REACH規則では、鉛や六価クロムを含む化合物がSVHCとして届出や情報義務があります。ELV指令やRoHS指令では金属元素成分で、REACH規則では化合物で管理することが必要ですので、このことに注意することが必要です。

1)http://www.gadsl.org/
  http://www.mdsystem.com/magnoliaPublic/ja/public/list/GADSL.html
2)http://plastics.americanchemistry.com/GADSL-Guidance-Document

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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