ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2012年3月2日更新
Q.310 製品にCEマーキングする場合、すべての部品の測定データを技術文書に含めなければいけないのでしょうか?

RoHS指令では、生産者の義務として、附属書IIに収載された規制物質(特定有害6物質)を非含有(最大許容濃度以下)とすることに加えて、附属書VIによる適合宣言書とCEマーキングの貼付が義務付けられています。

CEマーキングは、Decision No 768/2008/EC(製品販売のための共通枠組み)のモジュールA(内部生産管理)により内部生産管理手続きを実行し、設計から製造に至るまで、すべての生産活動が適切にコントロールされて、規制物質が非含有であることを宣言するものです。CEマーキングでは、以下の項目を記載する技術文書〔technical file(technical documentation)〕を作成し、製造した製品の適合性を確認し、適合宣言とCEマーを貼付します。

  • 製品の概要説明書
  • コンセプト設計図、製造図面、部品図、サブアッセンブリー図、回路図等
  • 図面や、計画、工程管理について理解するために必要な記述や説明
  • 整合規格のリストや他の関連技術資料
  • 設計計算結果、検査結果
  • 試験報告書等

技術文書にはCEマークが貼付される完成品の構成するすべての部品が記載されており、これらの部品の測定データ(RoHSは均質物質となります)を備えていないと適合を宣言できないとも考えられます。しかし、RoHS指令の第16条2項では、「EU官報で通達された整合規格に則り、第4条規定の順守を確認するための試験もしくは対応がされた、もしくは評価がされた原料については、本指令に適合しているものとみなす」との旨が定められており、サプライヤーからの非含有証明により順法証明ができることになります。

以上により、サプライヤーから整合規格による非含有証明があれば、完成品メーカーは自ら非含有測定データを採取する必要はないことになります。なお、整合規格は現時点では特定されておりません。(この第16条2項に関する詳細は2012年2月24日付けコラムをご参照)

また、完成品メーカーが構成部材の測定データについて、日常の管理でどの程度の頻度で測定する必要があるのかは、前掲のDecision No 768/2008/ECのモジュールA(内部生産管理)の規定によることになります。モジュールAには補足モジュールとしてA1とA2の2つの方式があり、両方式とも製品試験やランダムチェックは生産者の選択で、社内公認組織またはnotified bodyが行うことが規定されており、生産者の責任に基づいて生産者が選択したチェック実施主体(社内公認組織またはnotified body)が妥当と判断する頻度で実施することになります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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