ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2011年8月5日更新
Q.279 玩具指令88/378/EECに適合した製品はRoHS指令にも適合していると解釈していいのでしょうか?

2009年6月30日に公布された改正玩具指令(2009/48/EC)は、2011年7月20日以降EU市場に上市する製品に適用されます。
 指令88/378/EEC(以下、玩具指令)は2011年7月20日に、第2条(1)および附属書IIパート3を除いて廃止されました。改正玩具指令の第2条(1)および附属書IIパート3が適用されるのは、2013年7月20日以降上市される製品からとなります。すなわち、2011年7月20日以降は化学物質特性要求(玩具指令の附属書IIパート3)を除いて改正玩具指令の要求に適合していることが必要です。

現在適用される玩具指令のパート3の検証と評価の基準となる整合規格がEN71です。88/378/EECに基づく安全基準で、該当する玩具を製造・販売する場合これに従う必要があります。
 EN71-3の対象8物質について子供が体内に摂取した場合を想定した試験方法に基づき、それぞれについて溶出量の限界値が定められています。
 当該限界値は玩具の塗装皮膜、ポリマー、紙、布、ガラス・セラミックス・金属等10分野の対象材料別に規定されてます。RoHS指令の特定有害化学物質として含まれている物質に関する最大許容濃度(溶出量)は以下の通りです。
 EN71-3における各元素の最大許容濃度

(単位:mg/kg)
  粘土・フィンガーペイント以外 粘土・フィンガーペイント
カドミウム 75 50
クロム 60 25
90 90
水銀 60 25

EN71-3は溶出限界の規制、RoHS指令は製品含有規制ですので、規制の内容が違います。上の4物質がEN71-3に適合していたとしても、RoHS指令に適合するとは必ずしも言えないと考えられます。
 また、EN71には有機物についても規制 (71-9、71-10、71-11) があります。臭素系難燃剤についてはOcta-BDEおよびPenta-BDEについてのみ規制し、最大許容含有率を0.1wt%としています。
 RoHS指令ではすべてのPBB、PBDEを対象にしていますので、玩具指令に適合していてもRoHS指令に適合することにはなりません。

以上の通り、玩具指令の化学物質特性要求に適合していても、必ずしもRoHS指令に適合しているとは言えないと考えられます。

改正玩具指令の詳細な内容については、2009年9月25日付けコラム2009年10月16日付コラムをご参照ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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