ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2011年5月6日更新
Q.270 改正RoHS指令ではケーブルの非含有が要求されていますが、その背景はなんでしょうか?また、このケーブルとはどのような製品状態を意味するのでしょうか?

ケーブルの定義は、3月22日の理事会と議会の合意された改正RoHS指令の第3条(定義)5項にあります。

"cables" means all cables with a rated voltage of less than 250 volts that serve as a connection or an extension to connect EEE to the electrical outlet or to connect two or more EEE to each other;

この定義のなかで、250V未満の定格電圧の電源ケーブルに加えて電気電子機器の接続ケーブが対象となっていることが改正点です。現行RoHS指令ではケーブルの定義はありませんが、WEEE指令の附属書II(WEEEの材料および構成部品のための選択的処理)に外部電線(external electric cables)の取り外し義務があります。

この義務は回収したWEEEから電源ケーブルを外して、別処理を求めているものです。即ち、対象機器と一体化されたケーブルが対象で現行RoHS指令でも適用されています。この部分は改正RoHS指令の定義の最初の部分にあたります。

後段の電子電気機器の接続ケーブルの追加の背景は以下のようです。

2008年12月の改正RoHS指令の提案文書では、ケーブルは特に言及されていませんでしたが、2009年12月の議会討論稿の修正第14項で「cables, consumables and accessories」が対象製品の追加修正として出されました。

2008年12月の提案文書ではRoHS指令の対象品目を附属書Iで現行WEEE指令と同じ10製品群を示し、附属書IIで明細品目を収載していました。RoHS指令はEC条約第95条の手続きで国内法を制定しますので、全加盟国が同一規制にしなくてはならなく、附属書IIの明細品目が記載されているのみ対象とする拘束リストとされました。

修正第14項の修正は、附属書Iに第11製品群として「その他の電気電子機器」を追加し、附属書IIを削除することを受けたものです。

交流1,000V、直流1,500V以下のすべての電子電気機器が対象とするオープンスコープとしたことで、第9製品群に関するケーブルが論点となりました。第9製品群は「Monitoring and control instruments including industrial monitoring and control instruments」で、産業用監視制御機器を“含む(including)”が論点です。

論点の1つは、この産業監視制御機器が大型産業用工具用の場合は除外になるのか、産業監視制御機器として単独で義務を課すかです。2つは、産業監視制御機器と他の製品群と接続する場合は、どちらに属するかにより施行時期が異なる点が論点になります。

これらの論点を受けて、修正第14項でケーブルを単独で対象とし、3月22日の理事会と議会の合意された改正RoHS指令でも採用されたものです。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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