ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2011年4月22日更新
Q.268 改正RoHS指令によればCEマークの貼付は完成品が対象ですが、完成品の定義はあるのでしょうか?また、変・減速機のように電気・電子機器に組み込まれる部品は対象になるのでしょう?

2011年3月22日にEU議会と理事会が合意したRoHS指令改正案(以下、改正案)が発表されましたので、それに基づきお答えします。

改正案の適用される電気電子機器の定義は、「正しく作動するために電流または電磁界に依存する機器で、直流1,500V、交流1,000Vを超えない定格電圧で稼働する機器」で、現行のRoHS指令と同一です。ただし、軍事用、宇宙用機器、大型固定工具、大型固定据付装置や能動型埋込医用機器などが除外されます。
 また、現行RoHS指令の10製品群に、カテゴリー「11」として、現行の10製品群ではカバーされない「その他の電気電子機器」が加えられ、すべての電気電子機器が適用対象となっています。

完成品のCEマーク

改正案では、生産者の義務として、附属書IIに収載された物質(特定有害6物質)を非含有(最大許容濃度以下)とすることに加えて、新たに附属書VIによる適合宣言書とCEマーキングの貼付が義務付けされました。

CEマーキングは、768/2008/EC(製品販売のための共通枠組み)のモジュールA(内部生産管理)により内部生産管理手続きを実行し、コンプライアンスが証明できる場合は適合宣言をし、適合製品にはCEマークを貼付することになります。適合製品にCEマークを貼付することで、EU域内を自由に流通させることができます。

EU域内に上市される適合製品には、CEマークを電気電子機器の完成品 (finished EEE) に貼付することが要求されています(第7条)。適合品であることを輸入者、流通業者、消費者および処理業者に明確に表示するため、上市前に、原則として電気電子機器の製品に直接添付する必要があります。

したがって、CEマークを貼付する完成品とは、EU域内で流通する電子電気機器の最終製品の状態と考えられます。 輸入者にも、適合製品のみの上市は勿論ですが、上市前に適合宣言書とCEマークを確認する義務があります。

なお、改正案では電気電子機器、ケーブルおよびスペアパーツ(修理、再利用、機能のアップグレード用)は、特定有害物質を非含有とする義務があります(第4条)。ケーブルおよびスペアパーツは完成品ではないのでCEマークの貼付は要求されないと考えられます。

変・減速機

ご質問の変・減速機は歯車などで構成された歯車箱ユニットとしますと、変・減速機の単体は電動モーターなどの主駆動源を持たなければ、変・減速機単体ではRoHS指令の電気電子機器に該当しません。

しかし、変・減速機がRoHS指令適用の製品群に該当する電気電子機器に組み込まれた場合は、その構成機器である変・減速機も特定有害物質を非含有としなければなりません。しかし、CEマークの貼付は変・減速機としては必要ありません。

ただし、大型固定工具や大型固定据付装置は適用除外になるので、これらに組み込まれる変・減速機は適用されません。

変・減速機が電動モーターとドッキングされたギヤモーターについては、RoHS指令の適用機器に組み込まれる場合は特定有害物質を非含有としなければなりませんが、適用外の機器の一部として組み込まれる場合は第2条4(c)により適用除外に該当すると考えられます。

なお、RoHS指令改正案については以下の2011年4月15日付きコラム2010年12月3日付きコラムをご参照ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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