ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2011年4月1日更新
Q.265 弊社はプリンター関係の製品を欧州に輸出しています。製品はRoHS指令に対応していますが、それを組み付ける時に使用する治工具類もRoHS指令に対応したものでないといけないのでしょうか?

製品の組み込み時に使用する治工具のRoHS指令への適合性の判断は、自社の工場内で使用するものと、輸出先で使用するためサービスキットとして製品に同梱するものとに分けて考える必要があります。

1.自社の工場内で使用する治工具について

この治工具はRoHS指令の適用対象外です。しかし、製品のRoHS指令適合を確実にするためには以下のことに留意する必要があります。

  • 治工具の管理
    かつて、一部の顧客から六価クロム処理したビスを締めたドライバーで製品用のビス(3価クロム処理品)を締めると、コンタミで有害物質が付着するから分けるようにとの指示が出ていました。ドライバー、プライヤーや測定器のプローブなどではコンタミがゼロとは言い切れませんが、実際は無視できる程度です。
  • 起こしがちなコンタミ
    一般的な工具からはコンタミは無視できますが、作業管理面では無視できないことも起こり得ます。
    例えば、外注品の受け入れ検査で不良が発見され、諸事情で社内手直しをする場合に、鉛を含む共晶はんだに使用したはんだごてで製品組付け時に誤って使用するとコンタミが生じます。また、糸はんだと間違えて共晶はんだを使えば、修理品全数に鉛が混入します。
    塗装の傷の補修なども同じです。

管理の基本は、要RoHS指令適合作業場所には、特定有害物質含有部材を置かないことです。

2.サービスキットとして製品に同梱する治工具について
  • この場合は、治工具が保守用部品と同様にRoHS指令の対象となりますので、RoHS指令に適合する必要があります。
  • 同時にREACH規則の成形品に該当しますので、以下の条件を満たす場合、第7条により輸入者が化学物質庁に届出する必要があります。
    • 成形品に高懸念物質候補リストに収載されている物質を含有する
    • その物質の量が輸入者当たり年間1tを超える
    • その濃度が重量比(W/W)で0.1%を超える
    • その特定用途では登録されていない場合
    しかし、年間輸入者あたり1tを超えることは考えにくいので、実際には届出の必要はないと思われます。
  • REACH規則により、成形品に高懸念物質候補リストに収載の物質が重量比(W/W)で0.1%を超える濃度で存在する場合は、第33条の「成形品に含まれる物質に関する情報伝達義務」が要求されます。該当する場合は輸入者が成形品の受領者に物質名を含む安全な使用を認めるに十分な情報を提供する必要がありますので、その対応に協力する必要があります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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