ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2010年12月10日更新
Q.250 弊社は電子線照射装置のメーカーです。同装置にはX線遮蔽のため大量の鉛を使用しています。この装置は、EU RoHSの除外が適用される大型据付設備に該当すると考えていますが、その判断基準はどのようなものでしょうか?

貴社が製造している電子線照射装置の詳細がわらないこともあり、3種類の例に分けて解説します。考えられるのはカテゴリー6:電動工具か、カテゴリー8:医療用機器、もしくはカテゴリー9:監視・制御機器です。

1.カテゴリー6:電動工具

電子線照射装置で加硫、塗料の硬化、滅菌等、生産工程内での加工を行っているのであれば、このカテゴリーに該当するように考えられます。しかし、据え付けて使用するような電子線照射装置の場合には、専門の業者に搬入・設置、撤去を依頼することになりますので、この場合は大型据付産業用工具に該当すると考えられます。大型据付産業用工具であれば、RoHS指令は適用されません。
 2010年11月24日にEU議会本会議で採択されたRoHS指令改正案では、大型産業用据付工具は以下のように説明されています。

【大型据付産業用工具】

特定の作業をするための、機械、装置、および/または部品を産業用に一緒に 使うためのアッセンブル。これらは専門家により設置及び撤去され、使用の間 は恒久的に設置されているもの。製造や研究開発の専門家により使用、保全さ れる。

もし、現行RoHS指令下で「大型据付」の要件を満たさない通常の産業用工具であれば、RoHS指令が適用されます。この場合はX線遮蔽の鉛は適用除外項目とはなっていませんので、規制値以下にする必要があります。

2.カテゴリー8:医療用機器

電子線を医療目的で使っている場合は、このカテゴリーに該当します。現状では医療用機器はRoHS指令の適用を受けていませんので、鉛の使用に対する制限はありません。現在の見込みでは2014年1月1日からRoHS指令が医療機器に適用されると思われますが、改正RoHS指令のカテゴリー8(医療用機器)では鉛の適用除外予定として、電離放射線(X線含む)の遮蔽用途が挙げられています。
 なお、RoHS改正案の医療用および監視・制御機器の適用除外項目は附属書IVに記載されています。その中で電離放射線を利用する適用除外となる条件は以下のようになっています。

電離放射線を利用または検知する機器

  1. 電離放射検知器中の鉛、カドミウム、水銀
  2. X線管中の鉛製ベアリング
  3. 電磁放射増幅素子(マイクロチャンネルプレート、キャピラリープレート)中の鉛
  4. X線管および蛍光増幅管のガラスフリット中の鉛、およびガスレーザーのアッセンブル用および電磁放射を電子に変換する真空管のガラスフリットバインダー中の鉛
  5. 電離放射線の遮蔽用の鉛
  6. X線試験物中の鉛

なお、RoHS指令改正案では「大型固定据付機器」は産業用途以外であっても適用除外となっています。「固定据付」の定義は、「専門家によって設置され組み立てられ、永久にあらかじめ定義された場所で使用する、専門家によって解体されることを意図した大型の組合せ」とされています。

3.カテゴリー9:監視・制御機器

監視・制御が主な用途である場合はこのカテゴリーに該当します。適用、除外要件は前項の医療用機器と同じとなります。

RoHS指令は改正中で、上述の解説も変更される場合もあります。情報を本コンテンツや日本貿易振興機構(JETRO)などから得ることをお勧めします。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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